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ブラジル和牛=格付け、流通=日本の和牛を父に=ていねいに育てる=日本料理店のメニューにも=東洋街でも小売りを

2005年9月7日(水)

 ブラジル和牛生産者協会(飯崎貞雄会長)は、五日、和牛肉の格付けができる態勢にあること、精肉が国内にも流通していることを明らかにした。「お待たせしました。日本の味を届けます」である。格付けは、日本食肉格付協会の基準によっている。来年から、本格的にブラジルで格付協会を発足させ肉の〃権威づけ〃を行う意向。今、積極的にPR活動を、と意欲的だ。
 協会の飯崎会長、小副川ヴィトリオ技術担当理事、アンデス・フーズ社の佐藤トモノリ・マネージャーの説明によれば、ブラジル産和牛の格付は今年二月、協会、フリゴリフィコ業者の「インデペンデンシア」(本社カジャマール)の協力によって行われた。これまで他の牛肉の格付けを行ってきている「インデペンデンシア」は和牛に対しても、乗り気だったという。
 格付は、ブラジルの場合、肉の歩留まり、品質について行う。色、色沢に関しては及んでいない。肉の色は、明るいピンク色がよく、霜降り具合が最大のポンイトらしい。価格に直接的に影響する。
 協会は一九九五年発足、会員は、サンパウロ、ゴイアス、サンタカタリーナ、マットグロッソの各州などにおり、およそ三十人。実際、生産しているのは、マットグロッソ州テレーノスの久枝俊夫さんら十人程度で、まだ多いとはいえない。
 牛は、日本から導入される精液をブラジル国内で現在飼育されているヨーロッパ系のメスにかけた交雑種。牧草を選び、トウモロコシなどの穀物飼料で一頭、一頭ていねいに育てる。手間がかかるが、小面積で飼育ができる利点がある。堆肥の材料も確保できるので、有利だという。
 アンデスの佐藤さんは、大都市の高級料理店に販売攻勢をかけている。値段については料理店側が「高い」とはいうが、「いいものであれば、大量に」という店をねらう。
 日本料理店にも売り込んでいる。リベルダーデ地区を含め「高級」を売りにしてにいくつかの店には「和牛料理」がある。「和牛があるか」とたずねてみればいい。また、東洋街の一部食料品店の棚にも並ぶ。品切れの日もあるが、小売り販売の道はついている。
 来る十八日、イビウーナの国士館センターで催されるコチア青年五十周年記念祝典で、協会は「ブラジル産和牛キャンペーン」を繰り広げる。精肉販売のほか、焼き肉、すき焼きなどの料理も提供する予定。

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