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利用者に喜ばれて=通所介護「シャローム」5周年=若返り、もう独り暮らしでない=記念祭に80人参加、祝う

2005年11月11日(金)

 助け合いの輪を日系社会に広げよう―。自立した日常生活が困難で介護を必要とする日系高齢者を対象とした通所介護施設、デイ・サロン「シャローム」(福浦利明代表)の創立五周年記念祭が、八日午前十時から石川県人会館で開催された。同サービス利用者やその家族ら約八十人が集まり楽しいひと時を過ごした。
 同サービス創始当初は、二人の利用者しかいなかったが、現在では定員三十人を超える数の希望者がいるほど。福浦代表は「五周年は節目の年。中国産のある種の竹は、その苗を植えても最初の四、五年は何の変化も見られないが、五年目を迎えるころ、三十メートルもの高さにまで成長するのです。これまで関わってきた人々に感謝してシャロームも同じように成長していきましょう」と話した。
 福浦代表と同施設創始、充実に尽力してきた小井沼眞樹子コーディネーターは「最初のことを振り返ると一筋の歩みが見えてくる。移民の方々のための介護に尽くすべくブラジルに来たが、利用者の方々の輝いた顔を見ると、私の方が生きる希望を貰っている」と話し「これを創立したのは決して私一人ではない。みなさんの協力があったからこそだと思っています」と感謝の辞を述べた。
 午前中は、指体操や音楽に合わせての体操、シャロームの歌を歌うなど、ボランティアの協力によってレクレーションを楽しんだ。また、三重県人会婦人部などによる日本舞踊も披露された。
 昼食には日本食が用意された。ボランティアの数は現在約四十人。駐在員も参加しているという。久保エツさん(79)は「主人がシャロームにお世話になったから手伝っている。皆さんとても熱心で楽しくて。責任があるから欠席したことない」とやりがいを感じている様子だった。
「若返っちゃった」と笑うのは利用者の千本木早苗さん(92)。「すごくお世話になっています。キリスト教の精神を徹底していて、いいサービスを受けています」。利用五年目になる中川小重さん(90)は「私は一人暮らしだから助かりました。一人でつまらないなと思っていたときにこのホームができて、元気を貰った。折り紙でも書道でも何でも教えてもらって。本当に入ってよかった。助けられた」と感謝を表した。
 同サービスは、毎週火曜日と木曜日の午前九時半から午後二時半まで、サンパウロ福音教会(Rua tomas carvalhal471 paraiso)で受けられる。定員は一回につき十五人。送迎に関しては原則として家族と一緒と決められている。利用料は月三十レアル。
 問い合わせ電話は11・3885・7665(受付時間は月・水・金の午前九時から十二時まで。月・火・金は午後六時から九時まで)。

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