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県議団と懇談=日系団体代表=「留学生絶やすな」=県連が重要性訴え

2005年11月15日(火)

 全国議長会二〇〇五年南米地方行政視察団(黒川治滋賀県議)の一行十五人と日系諸団体との意見交換会が、七日午後三時からブラジル日本文化協会会議室で約一時間行われた。県連が世話役になり、現地から十二の団体機関の代表者が参加した。
 最初にサンパウロ総領事館の丸橋次郎首席領事は「ブラジルは大国です」と前置きし、今年で国交百十周年を迎える二国間の説明をはじめた。デカセギ問題にも言及し、「人の交流は国の関係の土台」と語り、日本側で教育面や社会保障面で十分な体制がそろっていない現状などを分析した。
 今月末にリオで開催される日伯21世紀協議会にも触れ、「新たなページがめくられる時期にきている。地理的にはもっとも遠いが、相互補完関係を築けるのでは。日伯関係を緊密化するためにご協力をお願いしたい」と強調した。
 次にJICAサンパウロ支所の石橋隆介次長、続いて文協の関根隆範副会長が活動概要を説明。「日本は海外に対して引っ込み思案。日系社会による日本文化を伝えるための活動に手を貸してほしい」と依頼した。
 援協の酒井清一会長は団体概要を説明する途中で時間切れ。司会役の県連の中沢宏一会長は「二分間だけ」と、百周年祭典協会総務委員会の菊池義治副委員長に割り当てざるをえなかった。
 「各県単位で〃平和の火〃リレーをし、百周年を日本で盛り上げ、その火をブラジルに送ってほしい」とお願いした。さらに「タイの山田長政の二の舞を踏まないよう、この国に日本文化を残すため、日伯の友好関係を深めるためご協力を」と語った。
 最後に中沢会長は、予算が削られる傾向にある県費留学生・研修生について存続の重要性を訴えた。
 意見を聞き終えて、黒川団長は「諸問題をつぶさに聞くことができた。五世、六世の時代になって日本語を使う頻度が減る時代を迎え、日系社会がうまく続いていくのか危惧をもっている」との印象を受けたという。日本語教育の重要性を再確認するとともに、「日系人に訪日研修してもらい、歴史や文化を学び、ブラジルでの後輩育成にがんばってほしい」とエールを送り、「帰国後、それぞれの府県で少しでもご期待にそえるよう努力したい」と総括した。

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