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援協取り扱い、組織全体で昨年153万件=前年比7・3%増=医療、生活、高齢化、家庭問題=日系社会の状況反映=前年比7・3%増える

2006年2月22日(水)

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は十六日の理事会で、〇五年に組織全体で前年比七・三%増の百五十三万八百五十九件を取り扱ったと発表した。福祉事業が増大しているということは、日系社会の厳しい状況を反映していることの表れ。継続してコロニアに、協力を求めていくつもりだという。
 資料によると、昨年の延べ取り扱い件数は百四十二万七千二百七十三件。約十万件伸びた。
 医療・生活・高齢者・家庭問題などについて、福祉部が受けた相談件数は七千七百七十八件。〇四年の五千百七十四件に比べて、五〇・三%も増えた。特に、高齢者問題は年々増加。相談件数のうち、四四・二%を占めた。
 また、精神関係の相談も右肩上がりの傾向を示しており、前年比三二・九%増し(九百十九件)。深刻さぶりを再認識させられている。
 サントス厚生ホームは五十六人の入所者中、九十代が十二人、八十代が三十八人おり、高齢化が顕著になっている。それに並行して、寝たきり、認知症など要介護者の割合が拡大。入所者の残存機能を維持するための取り組みが必要になっている。
 結核療養所から老人ホームに変わった、カンポス桜ホームは稼働率が上昇した一方で、本部からの扶助率が四三%に達し、厳しい運営を強いられているようだ。スザノ・イペランジャホームも入所者数が伸び、満床状態が続いた。
 特別養護老人施設あけぼのホームは、環境整備に力を入れるとともに改修工事を実施。定年が五十二人から六十人になり、日系コロニアのニーズにもある程度対応できるようになったと評価している。
 精神障害者を扱う、やすらぎホームは長期入所居者が目立つ。引き取り先がないため。アニマルセラピーを始め、評判が上々だという。
 社会活動部「奄美事業所」は開所三年目。既報の通り、地域社会への貢献が日本で報道されている。ほかの施設や学校の視察を行う考え。
 総合診療部は六十歳以上の利用者数が六割を占め、日本語による対応は今後も欠かせないという。巡回診療班は五州八十八地区を回り、四千四百三十八件を受け付けた。七十歳以上の一般血液検査は無料ということもあり、受診者数は前年比二二%増加。千九百六十人を受け付けた。
 優良病院として認定された友好病院の診察、手術、入院、検査件数も堅調だった。

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