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コラム 樹海

 サンパウロ日伯援護協会が、リベルダーデ区内に土地を購入、〇九年の創立五十周年に新しい本部施設を建設する意向のようである。大きい事業なので、部内で異論もあったときく。しかし、賽は投げられた(事は始まった)。五十年の伝統がある、コロニアの最大規模を誇る公的福祉団体として、組織を挙げて目標達成に邁進してほしい▼さて、本部施設である。一応の青写真はすでにあるようだ。現在の施設は文協ビル内に総合診療所、歯科、福祉部相談室、事務局室などがタコ足のように散らばっている。全体的に手狭で、援協を必要とする人にいい感じで応対できかねている▼新しい施設は独立ビルである。青写真がまだ確固としたものでないなら、画期的なビルを描いてほしい、と注文したい。床面積を増やして、自立できている高齢者向けアパートを併設してほしいということだ。援協本部・診療所施設とアパートは共同コンドミニオである。アパートを事前買い取りとすれば、建設費用の負担は援協にかかるまい▼アパート住人にとって、同敷地あるいは階下に診療所があるのは心強い。援協はこれまで、どちらかといえば、生活困窮者の援護を意識し、普通の老人ホームをつくってきた。いつか、援協だからできる、医療を付随させた、新しいモデルの高齢者のための事業をしなければならなかった▼本部建設は、箱物作りだ、とか人事の面で百年祭祭典協会に遠慮があるともいわれる。だが、これはまったく別の仕事である。(神)

06/04/21

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