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老クのレクリェーション指導=はつらつ、宇野シニア=準備周到、〃相手〃に応じて=レジストロ訪問3度目

2006年6月23日(金)

 「いい息してますかー」溌剌とした声が会場に響く。老人クラブ連合会(重岡康人会長)で勤務しているJICAシニアボランティアの宇野妙子さんが、レジストロの春秋会(小野一生会長)で二十日、レクリェーション指導を行った。会場には三十五人が集まり、互いに教え合う声や楽しそうな笑い声が終始絶えなかった。
 「いい天気の中、外に出て人と話すこと。それだけで一つ、若いですよね」と参加者に語りかける宇野さん。昨年六月に来伯してからの一年間で、老ク連の四十を超える支部のうち半分以上を訪問。レクリェーション指導を行ってきた。今回の訪問でレジストロは三回目になる。
 「もちろん、十分に準備をして計画しますけど、会場に集まってくれた人の年齢や動きを見て、その日の内容を変えるようにしています」と宇野さん。
 「レクリェーションに参加してもらって怪我することだけは避けたい」と、折り紙のように手先を使うことから、座って手足を動かすゲーム、会場内を広く使っての体全体の運動など、その多岐に及ぶ指導内容から最適なレクリェーションを選ぶ。
 春秋会では折り紙を予定していた。「細かい作業の前には指の体操をやりましょう」。両手を使って、閉じたり開いたり。「ふるさと」や「あんたがたどこさ」といった懐かしい童謡に合わせて指を動かす。「声を出すことも健康のひとつですよ」。
 一見簡単そうに思われる動きに、リズムをつけ複雑な条件を課すことで難易度を替えて、誰もが楽しめるようになる。「できてもできなくてもチャレンジしていることが大事。やろうとすることで脳が働いていますから」と宇野さん。
 「きょうはお孫さんとも楽しめるように、折り紙の駒を作ろうと準備してきたの」。二つの紙を組み合わせて用意された駒の台紙は百個。「参加者が楽しく参加できるように」と工夫をこらす。
 比較的若い年代が同会に集まったため、折り紙の後には全身を動かすゲーム。誕生日や子供の頃の愛称といった身近で、かつ互いに親しみがもてる要素を取り入れ、会場は笑い声にいっぱいだった。
 宇野さんと再来を待ち望んでいた山村章子さんは「本っ当に楽しみにしてたんです」と折り紙の最中にも歌い出すほどの盛り上がりぶり。小野さんも「来てもらって最高です」と童心に戻ったようにゲームを楽しんでいた。
 宇野さんは、日本では児童厚生員として二十四年間児童館に勤務。その傍ら、中高齢健康体操指導や親子教室などに幅広い活動経験を持つ。遠くはカンポグランデも訪れ「各地のクラブの活性化、皆さんの健康に少しでも役立てたらと思って。限られた任期の間にできる限り多くの場所を訪れたい」と各地からの指導要請を楽しみにしている。

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