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コロナ禍の中、茂木外相来伯=希少金属や森林農法協力で覚書=日系社会による伝統的絆を確認

ボルソナロ大統領と固い握手を交わす茂木外相(大統領官邸、Foto: Marcos Corrêa/PR )

ボルソナロ大統領と固い握手を交わす茂木外相(大統領官邸、Foto: Marcos Corrêa/PR )

 【既報関連】日本国外務省サイトによれば、ブラジルを訪問した茂木敏充外務大臣は8日午前11時から40分間、ジャイール・ボルソナロ大統領を表敬した。共同記者発表及び覚書の署名式をはさみつつ、エルネスト・アラウージョ外務大臣との会談を3時間行った。日米との協調を重視するボルソナロ政権との間で、基本的価値の共有や日系人社会等による伝統的な絆について改めて確認。二国間のみならず国際場裡でも協力を進める「戦略的グローバル・パートナー」として、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のために連携を強化することや、経済・環境・人的交流等幅広い分野で二国間の関係をさらに深化させることで一致した。

 二国間協力の具体的成果として「ニオブ及びグラフェンの生産及び利用に関する協力覚書」及び「アマゾン地域の生物多様性の持続可能な利用に関するトメアス協力覚書」が署名された。
 これら覚書により、日伯間において、ニオブ、グラフェンの生産及び新たな製品開発に関する協力や、アマゾン地域におけるアグロフォレストリー・システム(森林農法)や生物多様性の持続可能な活用に係わる協力が一層推進されることが期待される。ニオブとは、希少金属で自動車パネル等の鉄鋼添加剤として使用される。グラフェンは炭素の同素体でリチウム電池の負極剤等として使用される。
 茂木外相による大統領表敬では冒頭、茂木外相から、基本的価値や日系人社会等の伝統的な絆も共有し、二国間のみならず国際場裡でも協力を進める「戦略的グローバルパートナー」であるブラジルとの連携の重要性は増大しており、今回の訪問を機に関係を更に強化していきたい旨が表明された。
 ボルソナロ大統領は、茂木外相の訪問を歓迎し、この機会に日伯関係を一層強化したいとした上で、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた日本の努力に対する敬意と開催に対する強い支持を明らかにした。
 茂木外相は、日本企業の投資の維持・促進にはビジネス環境の更なる整備が不可欠である旨を述べ、これに対し、大統領から日伯経済関係強化に向け、日本企業のビジネス環境整備のためにさらに取組みたい旨を述べた。
 さらに茂木外相は、日本の「自由で開かれたインド太平洋」の取組について紹介をし、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の実現に向けて協力していきたい旨述べ、大統領は日本の考えに賛同し、連携していきたいとの意思表明があった。
 両者は、世界最大のブラジル日系社会と在日ブラジル社会は、両国の重要な懸け橋であるとして、日系人を通じた交流を強化していくことで一致した。
 アラウージョ外務外相との会談で茂木外相は、日本の農業開発や大型投資などがブラジルの産業発展に貢献してきた歴史について触れ、ボルソナロ政権が取り組む年金や税制の改革が日系企業等のビジネス環境整備につながることへの期待を示すと共に、デジタル経済、環境、司法協力等の幅広い分野での協力を進めたい旨を述べた。
 これに対し、アラウージョ外相から、OECD加盟を目指すブラジルは規制改革を含めてビジネス環境改善に取り組んでおり、今後とも幅広い分野での協力を進めていきたい、ブラジルのこうした改革姿勢は、自由で開かれた国際秩序の維持・強化にも貢献するものであり、日本の協力も得つつ改革を進めたい旨を強調した。
 両外相は、安保理改革や世界貿易機関(WTO)等の国際的課題について連携を強化していくことを確認すると共に、「自由で開かれたインド太平洋」、北朝鮮、韓国、東シナ海及び南シナ海情勢等のアジア情勢、並びに、米国でのバイデン新政権発足やベネズエラ情勢を含む米州情勢に関し意見交換を行い、昨年11月に立ち上げられた日米ブラジル協議も活用し、米国と引き続き連携することも含め、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の実現に向けて協力していくことで一致した。

 

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