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憩の園の活動を表彰=「介護者の日」でサンパウロ市議会

2006年8月30日付け

 サンパウロ市議会がこのほど、高齢者や身体障害者を対象にボランティア活動に携わってきた団体を表彰した。市が八月二十六日を「介護者の日(Dia do Cuidador)」に制定することから行われたもの。表彰式が二十六日午前十時から、市議会貴賓室で開かれ、日系福祉団体からは社会福祉法人救済会「憩の園」が受章した。
 サンパウロ市による「介護者の日」制定の動きは昨年から始まったもの。「貧しい人々の中で最も貧しい人に愛を捧げる」ために地道な活動を長年続け、社会貢献をしたマザー・テレサの誕生日である八月二十六日を「介護者の日」と定める予定で進められている。
 表彰された団体は、救済会(吉岡黎明会長)「憩の園」、ブラジル・アルツハイマー協会(リリアン・アリッケ会長)、ブラジル・パーキンソン協会(サムエンルグロッスマン会長)、宮坂国人財団、介護者新聞「Jornal Cuidadores」の五団体とモニカ・ヴァネッサ・ナカハラ、セルマ・アパレシーダ・デ・ソウザ・アウヴァーレス、トミコ・ボールン、ヨネ・デ・モウラ・ベラウド、ザリー・ピント・ヴァスコンセーロス・デ・ケイロス氏らの五人。
 既に法令化されている介護者という職業。このたびの表彰に尽力した神谷牛太郎サンパウロ市議は、「福祉活動を行っている協会などは数々あるが、その多くは手を取り合っていない。実際に『介護者の日』を創設することで各々の経験を共有し、支援の輪を広げることができるだろう」と述べた。
 憩の園が行なってきた「介護者支援グループ」は同じ二十六日に、活動開始から一周年を迎えた。
 このグループは、急速に高齢化が始まり施設福祉だけではお年寄りを介護しきれなくなってきた現状を改善しようと、心理士からのアドバイスを受ける場を設けたり、介護者の養成の場をつくるなどの活動を行っている。
 同グループで活動する心理士の中川クラ―ラさんは、これまでの活動が表彰されたことに対し「こういった窓口を通して自分たちの活動を世間に知ってもらうことは大切なこと」と感想を話していた。

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