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カルロポリスで灯篭流し=8百余基が湖面を照らす

2006年11月11日付け

 恒例の第二十五回カルロポリス灯篭流しが十月二十八日、先祖合同供養と合わせてパラナ州カルロポリス市で行われた。サンパウロから約三百キロ離れた、州境の町カルローポリス。今年は八百基の灯篭が、パラナパネマ河の上流をせき止めたシャバンテス発電所の湖面を照らし出した。
 カルロポリスの人口は約一万四千人。北パラナのコーヒー地帯はコーヒー樹が引き抜かれ穀倉地帯となってしまったが、ここにはコーヒーが道の両側に広がっている。
 今年の灯篭流しにはサンパウロから、ブラジル日本都道府県人会連合会のバスが訪れた。同会は五月に実施された「移民のふるさと巡り」で同地を訪問、交流したが、夜中で何も見ることができなかったため、再度の訪問を約束していた。
 バスは途中ソロカバからの参加者を乗せ、朝のカフェーを済ませた後、二時間余りの行程でカルロポリスに向かった。州境に広がるシャバンテス湖にかかる橋を渡った所にあるパークゴルフ場で一休み。
 湖畔のパークゴルフ場は見晴らしも良く、桜やイペーなどが植えてありシャバンテスの湖を見渡せる。一行はコーヒー園の見える街道をカルロポリスの町に向かった。
 街の日系人の経営するレストランで昼食、水位が上がり別荘地として売り出している湖面の半島一帯を巡った後、先祖合同供養の行われるカラヴェラ・カントリー・クラブに着いた。正面の祭壇には約八百基の灯篭が一つ一つ置かれている。
 この『御先祖合同供養並に灯篭流し』は八二年に始まったもので、以前はサンパウロ州のアバレーと交互に行っていたという。主催は老寿会、共催はカルロポリス文化体育協会、市役所が後援している。
 午後四時、主催者の挨拶の後、浄土宗マリンガ日伯寺佐々木陽明導師の先導で四人の僧侶が読経する中、参列者が焼香。八百余名の名が次々に読み上げられ、六時過ぎまで続いた。
 ロンドリーナ、マリンガ、クリチーバなどパラナ州各地及びサンパウロ各地からの参列者も多く、佐々木師の法話の後、参列者に次々に灯篭が手渡され、十キロほど離れたシャバンテス湖へ。夕闇が迫る湖面に河岸から次々にロウソクを灯した灯篭が岸辺に並んだ多くの人たちの手を経て浮かんだ。
 ふるさと、荒城の月、天然の美の合唱が流れ、岸辺を離れた灯篭が湖面を漂う。八時頃には全部の灯篭が岸辺を離れた。
 県連の一行はカルロポリス日本人会館で婦人部心づくしの夕食を食べた後、カルローポリスからその日の宿泊地サンタ・バルバラに向かった。帰り道にシャバンテス湖の橋の上から湖面を見ると、ゆらゆらと揺れる灯篭が湖面を照らしていた。

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