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(3)中川トミさん死去=最後の笠戸丸移民、100歳で

2006年12月29日付け

 第一回笠戸丸移民の中で唯一の生存者だった中川トミさんが、二〇〇六年十月十一日、老衰のためロンドリーナで死去。NHKなどの大手マスコミはじめ各地方紙、伯字紙など日伯両国で多数のメディアが扱うなど大きな反響を呼び、コロニア中に大きな衝撃を与えた。享年百歳だった。
 一九〇六年十月六日に現在の熊本県熊本市で出生。一九〇八年六月十八日、当時一歳八カ月だったトミさんは、第一回ブラジル日本移民船「笠戸丸」で両親と二人の姉とともに着伯した。
 日本政府からは勲六等瑞宝章を受章し、二〇〇四年にはパラナ州名誉州民。〇六年六月には、かつて暮らしたプロミッソン市議会から名誉市民証を受けている。ロンドリーナで営まれた告別式には三百人以上が弔問に訪れた。
 ロンドリーナ市の百周年組織委員会では、記念事業として市内セントロに「トミ・ナカガワ広場」を建設する計画。〇八年の完成を予定している。

浅見さん108歳に

 一方、コロニア最高齢と見られる浅見重平さんは十月、サンパウロ市アクリマソン区の自宅で親族とともに元気に百八歳の誕生日を祝った。
 一八九八年、新潟県で生れた浅見さんは三二年のらぷらた丸で渡伯後、サンパウロ、パラナ州各地で長年コーヒーや綿栽培などを手掛けてきた。今も新聞を読み、日記や散歩の習慣を続ける浅見さん。「百五十まで生きる」のが目標だという。

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