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「日本人とは何か」知る「しるべ」=島村衆議『百年の水流』を推薦

2007年1月10日付け

 フリーライター外山脩さんの本『ブラジル日系社会 百年の水流』―日本外に日本人とその子孫の歴史を創った先人たちの軌跡―を読んだ、島村宜伸衆議院議員が、このほど、推薦の言葉をコロニアに寄せた。さきに石井久順ブラスヴィア社長が、同著書を同議員に贈ったところ「壮大な作品、深い感銘を受けた」と読後感を一文にしたもの。
 推薦文の内容はつぎのとおりだ。
 「石井氏が来日の折り、日系ブラジル移民百周年を記念して、その歴史を綴った大著を紹介した。それが『百年の水流』である。邦字紙サンパウロ新聞の元記者である外山氏が、同紙に二百三十七回にわたり連載したものを、さらに三年の月日をかけて、まとめあげた労作である。
 一九〇八年の笠戸丸以来、百年になろうとする節目に、日系ブラジル移民が幾多の苦難を乗り越えてきた来し方を、外山氏が鋭敏な視点から、自らの体験を含め、綿密な調査と取材に基づき記述した壮大な作品である。
 ブラジルの日系社会が確固たる地位を築いた現在、日本から遠く離れた地に日本人とその子孫の歴史を創った先人たちの軌跡に、改めて思いを新たにするとともに、驚嘆すべき気概と気骨に深い感銘を受けた。
 国土小国・資源小国のわが国は、人材育成が国家存立の基盤であり、本書に啓発されて、これからも広く世界に雄飛する人材が輩出することを期待したい。日本人とは何かを知るためにも是非一読をお薦めする次第である」。
 島村議員は、元文部・農林水産大臣(二回)。東京十六区選出、当選九回。学習院大学政治経済学部出身、天皇陛下と同期で学友。硬骨の人だ。日本石油(株)勤務十六年のあと、衆議院選挙に立候補したとき、「政治家は世襲でない」と父親一郎氏に出馬を反対された。それならば、と父親の派閥と反対の立場にある派閥の門を叩いた。近年も〇五年、小泉内閣の農水相のとき、衆議院解散閣議署名を拒否して、辞表を提出、小泉首相に罷免された経歴がある。
 「確かな日本を子孫に残すため時流におもねず、正直に主張し、行動する」のが信条の人だ。
 本の販売は、移民史料館、県連、援協、人文研、商工会議所、老ク連、コチア青年連絡協議会、高野書店、太陽堂、竹内書店、トッパンプレスで行われている。一冊六十レアル。

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