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さらに日伯の交流を=歯科医療分野でも

2007年2月8日付け

 日伯の交流を、歯科医療分野でも――。このほど、日本歯科技工士会会長の中西茂昭さん、理事の中込敏夫さんが来伯し、ラテンアメリカ歯科技工士会会長の喜屋武(きやたけ)四郎さんや、サンパウロ歯科技工士会(APDESP、喜屋武ロベルト会長)の会員らと交流。アジア諸国やラテンアメリカ諸国をまとめる、地域のリーダーとしての会の役割を確認しあい、歯科医療に留まらない福祉の向上に向け、協力していくことを約した。
 日本歯科技工士会とAPDESPとの交流は十年以上。中込さんは九五年からこれまでに四回来伯、APDESPで講演を行っている。ここ数年は、ブラジルの歯科技工士が日本で研修する制度もある。
「世界の技工士会で一番の組織力を誇っているのが日本。その次がAPDESPでしょう」と中込さん。日本の技工士会は会員一万五千人。技術レベルも高く、教育手法でもまとまっているという。また、APDESPは、喜屋武さんらはじめ日系人が中心となっている組織だ。
 「日伯の協会に、強いつながりができつつある。日本は中国、韓国、フィリピンやインドネシアなどアジアをまとめ、ブラジルはラテンアメリカ。世界の技工士会を考えたときに、この二つが中核になっていくだろう」(中込さん)。
 交流会では、今後の研修生の受け入れ、組織のあり方や教育制度などについて、意見交換が行われた。 中西さんは「歯科医を支えているのは技工士の技術。良質な歯科医療につなげるための技工士教育の輪をいかに広げていくのか。その手法をどう地域に伝えていくかが中心的な話題だった」と振り返る。
 喜屋武会長は「日本の品質管理や設備を取り入れてブラジルの歯科医療は伸びてきた。日本とブラジルだけでなく、アメリカやヨーロッパをつないで、世界的な福祉の向上を目指したい」と話した。
 技工士会の一行は、サンパウロ大学、技工士専門学校、サンパウロ歯科医師会と、日本移民史料館、日系団体などを視察、交流を行った。
 また、中西さんは「これまでの経験を活かして、医療福祉専門分野の制度や法を整備し、『元気で長生き』を実現させたい」として、今年の参議院比例代表区に自民党公認で立候補する予定だ。中込さんは「人のために何かしようとできる日本のホスピタリティーを制度的に強化して、それを世界に広めていきたい」と説明していた。

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