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コラム 樹海

2007年3月14日付け

 日本移民百周年を記念して『コロニア随筆選集』の第三巻が出る。収録される作品は今のところ決まっていない。公募中である。ということは、いい随筆であれば、だれのものでも収録されるということだ。発行元のブラジル日系文学会の呼びかけはこうだ。「稀有な年に遭遇するに際して、あなたの文章を永遠に収録する選集に投稿を!」▼文学会の台所はけっして潤沢でないので、執筆者の自費出版である。それぞれが二百レアル(四冊分)負担しなければならない▼コロニアでは書いたものを活字にしてくれる場が窮屈になった、といわれて久しい。そんな事情の中で小紙の読者投稿欄には身辺の新旧のことがらを綴った文章が、毎日郵送されてくる。字数のほか特に制限は設けてないので、文章も玉石混交。私にも書ける、書きたい、とばかり、投稿数は衰え知らずだ▼だが、今度の文学会の企画は、事情が違う。作品の質を選ぼうといっている。移民百周年の時点で「ブラジルに、日本語のこういう随筆があった」と後世に残せる作品を公募しようというのだ。だから、収録されれば名誉だ。こういう機会はめったにない▼現在、出版事情、特に日本のそれはたいへんな変わりようである。電子ブックとかが、一方でもてはやされている。しかしながら、ものを書いた人にとって「本」というのは快感である。書いたものが活字になるだけでも嬉しいのに、形ある一冊になる。それが歴史に残る。さぁ、随筆選集第三巻を目指そう。(神)

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