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コラム 樹海

2007年5月3日付け

 「農業分野における日本移民、日系人の貢献は特記すべきものがある」。首都のブラジル農牧公社野菜研究所のジルベルト・ヘンツ技術移転部長は明言した。特に首都建設に関して、「不可能を可能にする働きをした」と絶賛した▼一九五六年、「五十年の進歩を五年で」というスローガンのもと、ブラジリア遷都を謳って大統領選挙に勝ったジュッセリーノ・クビチェッキ。実行するにあたって、まず日系農家をブラジリアへ呼び寄せた話は有名だ。労働者を集める前に、まず食料を確保しなくてはならない、食料なら日系農家――という連想からだ▼ヘンツ部長が「不可能を可能にした」と言うのは、「当時、サンパウロでは芽を出した野菜でも、気候のまったく異なるブラジリアでは収穫するのは難しかった。それを短時間で独自の栽培技術を編み出して補い、食糧確保を実現した」からだ。ブラジル建国の一端を担った日系人の貢献をあらわすエピソードではないか▼今年九月にはコチア産組創立者、下元健吉氏の没後五十周年を迎える。日系農家の組織化、組合運動にあれほど貢献したにも関わらず、日本ではほとんど知られてすらいない。百周年に向けてなんらかのアピールがあってもいい▼現在、JICAは野菜農業の技術移転プロジェクトも進めている。これもブラジルにとっても非常に重要だ。現在、約四百万人が農業分野で直接雇用されている。それを増やし、失業者、中でも土地なし農民が自活できるようにすることは国家的な問題といっていい。そこに日本や日系人が協力するなら、まさに新しい貢献の幕開けだ。(深)

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