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十両入り決めた一番=元若東語る=相撲人生、忘れ得ぬ思い出

2007年5月15日付け

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)は十日、定例昼食会に元関取の元若東(本名黒田吉信さん)を招き、講演会「我が相撲人生と角界」を行った。「堅い話ばかりではなく、趣向を変えた」という今回の講演では、黒田さんが角界でのこばれ話を披露し、会場を笑いで沸かせていた。
 黒田さんは、一九七六年サンパウロ生まれ。身長が足りずに力士になれなかった父の夢をかなえるために、九一年、十五歳で日本へ渡った。
 当時、身長百七十一センチ、体重六十八キロだった黒田さんは、小柄な体格から、入門した玉の井部屋で女将さんに「あの子は力士になれるのかしら」とささやかれたという。「新弟子検査には髪を高く固めて背伸びし、たくさん水を飲んで臨んだ」。
 朝四時に起きて相撲教習所に通い、部屋では兄弟子の稽古着洗いなどに努める毎日が始まる。「日本に行き、〃ブラジルの徴兵〃はないと思ったけど、練習は軍のよう」と振り返った。
 九一年、膝の骨折を克服し、十両入りを決めた。その一番が最も思い出に残る。「前日眠れず、どのようにすればいいか迷ったが、塩をとった瞬間、『負けてもいい。思いっきりやろう』と決心がついた。自分の相撲をとった」と笑顔で語った。
 〇三年に引退し、現在はリベルダーデ地区で、ちゃんこ鍋で知られるレストラン「ぶえの」を経営している黒田さん。角界で奮闘中のブラジル人力士三人について質問されると、「体はすごく立派なので、今後の見込みはあるでしょう。順調に上がってきているので、あとは本人たち次第」と期待を寄せた。

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