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先祖とコロニアのために祈る=きのう「移民の日」ミサ=サンゴンサーロ教会で=各団体代表8人が共同祈願=デカセギ者の健康・忍耐も

2007年6月17日付け

 先駆者と先祖、今生きているコロニアのために――。「ブラジル日本移民九十九周年記念慰霊ミサ」(ブラジル日本文化福祉協会、日伯司牧協会共催)が、「移民の日」の十八日午前九時から、ジョン・メンデス広場サンゴンサーロ教会でしめやかに執り行われた。コロニア各団体の代表者らはじめ百人以上が出席し、先駆者の安息とコロニアへの神の加護を祈った。二〇〇八年の移民百周年は、同ミサを続けてきてちょうど五十回目にあたる。来年は日本から司教や神父らを迎えて、より盛大に、セー大聖堂に場所を移してミサが行われる予定だ。
 ミサは、カリタス・コーラスによる賛美歌で始まった。丸橋次郎首席領事、野末雅彦JICAサンパウロ支所次長、田中信商工会議所会頭、上原幸啓文協会長、松尾治県連会長、菊地義治援協副会長、巽ジョー日伯文化連盟会長らが列席。
 礼拝者らの罪の許しを請うてから、壇上の六人の神父を代表して、フレイ・アレシオ・ブロエリング神父(日伯司牧協会副会長)が「九十九周年忌を思い起こし、まず神に、そして先駆者と先祖に感謝しなければいけない」と、日本語で説教した。
 続いて丸橋首席領事、上原会長、巽会長、池崎博文リベルダーデ文化福祉協会会長、野末次長、田中会頭、松尾会長、菊地副会長の八人の代表による、日ポ両語での「共同祈願」。不屈の精神、勤勉さによって、日系社会の基礎を築いた先駆者の安息を祈るとともに、その精神や文化的遺産、日系人としての誇りを受け継いでいくこと、また、デカセギ者の健康や忍耐に希望がもたらされるよう祈願した。
 神への捧げものは、参列者の祈りを書いた紙が詰まった笠戸丸の模型と、「移民を受け入れたブラジル社会への感謝を象徴」した花束。パンとワインが壇上で掲げられて、聖体拝領で参列者一人一人にパンが配られると、参列者はひざまづいて祈りを捧げた。
 八歳で渡伯した河本久子さん(79)は「思い出すことがたくさんあって、胸がいっぱいです」と、目に涙を浮かべて話す。「奥地だったから口に合うものがなくて、苦労しました」と記憶をたぐった。
 錦田やすこさんは、サンパウロ生まれの二世、九十一歳。「思うことはたくさんあります。苦しみが多かったので、全てを一人で担いでいることはできない。皆さんと分かち合って生きていく」と、娘や孫に囲まれて、元気な笑顔を見せていた。
 ミサ後には、聖母婦人会がお茶の接待。中島エドアルド文協事務局長は「ここ四年ほどは、列席者が多いように思います」と、行事が無事に終わったことに安堵を見せた。
 教会関係者は、来年は日本から司教らが来伯し、ミサはセー大聖堂で行われることが「すでに確認されている」と、顔をひきしめて話した。

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