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リオのカーニバルでも百周年=ポルト・ダ・ペドラ=「移民船でもパゴッジ」=デカセギ、浅草サンバも顕彰

2007年6月21日付け

 先日のヴィラ・マリア(サンパウロ市)に続き、本場リオのカーニバルでも日本移民百周年をテーマにディスフィーレをするチームが出てきた。〇七年にはグルッポ・エスペシアル十三チーム中、十位だったウニードス・ド・ポルト・ダ・ペドラ(Unidos do Porto da Pedra、ウベラン・デ・オリベイラ会長)が十三日、来年のテーマを「日本移民百周年=移民船でもパゴッジ(サンバ系軽音楽)」と発表した。
 カルナヴァレスコ(美術監督)のマリオ・ボリエロ氏はニッケイ新聞の電話取材に対し、「日本人は新しい技術やいろいろな良いことをブラジルに持ち込んだ。顕彰するのに相応しい」と語った。
 ボリエロ氏は「まだ内容はしゃべれないけど」と前置きしつつも、「ボクは船と相性が良いんだ。絶対に素晴らしいパレードになるはずだ」と自信のほどをほのめかす。
 というのも、多くのサンバ関係者にとってボリエロ氏といえば、九三年に有名サンバチーム・サルゲイロ(GRES Academicos do Salgueiro)が十八年ぶりに優勝を飾った時のカルナヴァレスコとして有名だ。
 「お父さん、いつか戻るから」。パラー州ベレンからボロ船にのって、より良き生活を求めてリオに国内移住する北ブラジル人の心情を歌ったテーマ曲「Peguei um Ita no Norte」は、いまもサンバ界の定番として歌い継がれている。
 「日本移民もよい生活を求めてブラジルへやってきた。ボクにはすんなりと理解できる」と移民船のイメージに重ねる。
 パレード概要によれば、出だしのイメージは、ずばり「歌舞伎」。続いてチームマスコットである虎、京都の金閣寺、仏陀などのイメージをちりばめた衣装や山車がでる。
 そして笠戸丸に始まる移民の歴史として、カフェ、米などの工業労働、日本から持ち込んだ農業技術や品種、料理や武道などの文化の融合、日系社会、リベルダーデ東洋街などをモチーフにした行進になる。
 ブラジルの若者に大きな影響を与えているマンガやアニメなどのポップカルチャーに加え、デカセギや浅草のサンバカーニバルのイメージも扱われる。
 「日本の浅草では美しいサンバをやっているそうじゃないか。ぜひとも見てみたい。日本のサンバ愛好者にもぜひパレードに参加してほしいな」と呼びかける。サンパウロ市やパラナ州など日系団体や日系人にも協力してほしい、という。
 ボリエロ氏は「百周年というタイミング」に加え、チームカラーが赤白で日本国旗と同じこともテーマ決定に影響したようだ。
 リオのカーニバル協会(liesa)のサンバ博物館によれば、同地のグルッポ・エスペシアルで日本移民をテーマにパレードするのは、これが初めて。
 ついに世界的に有名なリオのカーニバルでも大々的に扱われることにより、六月の式典本番でも祝賀ムードが盛り上がりそうだ。

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