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■ひとマチ点描■ブラジル音楽を日本に紹介

2007年7月6日付け

 火中の栗を拾うようなもの―。自嘲気味に笑いながらも、「ブラジル音楽を日本に伝えることをライフワークにしたい」。
 そう語るのは、先月21日に来社した藤野秀樹さん。昨年、新しい音楽レーベル(B.SUN RECORDS)を立ち上げた。MPBのコンピレーションアルバムやファンキカリオカ、ハードロックバンド「ピティ」など4作品を5月に〃日本盤〃としてリリース。今年、計12枚を発表する予定だ。
 元々、音楽業界に関わっていたが、日本で認知されているブラジル音楽がサンバ、ボサノヴァ一辺倒なことに疑問があった。「ブラジル発の新しいスターが生まれてもいい」。そんな思いを強く持ち、05年に初来伯。
 それから二年間に五回訪れるほど惚れ込んだ。ライブにも頻繁に足を運んだ。ミュージシャンたちとの積極的な交流を通し、その「ポテンシャルの高さ」に毎回魅せられた。
 「ブラジルが持つ豊かで人間らしいライフスタイルを紹介し、『楽しく生きる』喜びを音楽とともに届けたい」――。
 そんな思いから、独自の感覚で音源を選択、ミュージシャンと直接契約し、「洋楽チャートにランクされるような」ブラジル音楽を日本に紹介していきたい、と意気込む。
 将来的には、日本のアーティストの楽曲をブラジルでプロデュースし、日本へ逆輸入したいとの思いも。
 「毎回、人に会うことを大事にしている。そして、意識していれば、新しい音源にも出会うはず」。受身で聞くことに抵抗する藤野流の音の探り方だ。    (剛)

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