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「好天のとき屋根を直せ」=アウキミン氏講演=改革の必要強調

ニッケイ新聞 2007年11月15日付け

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)は、九日、二〇〇六年度大統領候補の、ジェラルド・アウキミン前サンパウロ州知事を招き、定例昼食会をホテル・クラウンプラザで行った。アウキミン氏は「国際状況に甘んじている。税制改革が急務だ」と、ブラジルの現状を語った。
 アウキミン氏は「日系社会との最初の出会いは、笠戸丸以前の一九〇六年に移住した家族の子孫だった」と講演を始め、日系人のブラジルへの貢献を称えた。
 続いて、現在のブラジルの情勢について「国際情勢がいいこの時期に、ブラジルも波に乗らなければいけない」。過去二十年間、共和制に移行して以来、ブラジルの成長率は常に世界平均よりも低く、「今後、税制、年金、労働、政治の改革が必要だ」と説いた。
 児童死亡率の低下、上下水道の普及、サンパウロ州内の殺人件数、未就学児童数の減少など、変化も見られる一方で、「今は企業も国家も急速な変化の時期。天気が良いときに屋根を直すように、少しずつでも今から改革を進めるべきだ」と話した。
 会場から、「選挙時のマニフェストは明るいが、実際に実現することはできるのか」と質問され、同氏は「政府の問題だが、国会が動かず予算がつかなくても、州や自治体レベルで進められることもある。だが、構造改革が全てにおいて必要だ」と答えた。
 アウキミン氏は「自分は楽観的な見方をしている。なぜなら、楽観的な人は間違う可能性があるが、悲観的な人間は必ず間違える」との見解を述べて、講演を締めくくった。
 昼食会には、アウキミン氏に付いて、ジョアン・カルロス・デ・ソウザ・メイレーレス元サンパウロ州経済・科学技術・観光開発局長、井口信元連邦議員らが列席。終わりには、七日に五十五歳の誕生日を迎えたアウキミン氏にケーキが贈られ、パラベンスを合唱した。

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