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この人を知りませんか?=戦前サ・アンドレーにあった日本荘

ニッケイ新聞 2007年12月6日付け

 移民史料館が所蔵する写真の人物を特定する「この人を知りませんか?」。今回は戦後まで聖郊サントアンドレーにあった「日本荘」で写された一枚です。
 「日本荘」は同地在住の三好綱一氏(愛媛県)が一九二九年、ブラジル人資産家所有の土地を借りて作ったもの。後列右が戦前の藤崎商会、カーザ東山で支配人を務めた後藤武夫氏。木の前に立つ人物は三四年からサンパウロ総領事を務めた市毛孝三氏です。
 広さ一アルケール半。整備された庭園内には東屋なども設け、訪問者に無料で開放。戦後には作家の大宅荘一も訪れ、「郷愁の百貨店」と呼んだと記録にあります。
 三好氏は二七年に渡伯、セッテ・バラス植民地に入植し、同地の日本人会長などを務めた人物。日本荘は周囲の開発により、戦後まもなく移転、園内の建築物などはアルジャーのニッポン・カントリー・クラブ(NCC)へ移され、現在に至っています。
 写真の他の人物、当時のことなど心当たりのある人は史料館(11・3209・5465、小笠原)まで。

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