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移住センター改修へ支援を=西村日伯協会理事長が呼びかけ=日系人支援、国際交流の場として=金額よりも多くの人に

ニッケイ新聞 2008年1月22日付け

 戦前、戦後にわたって渡伯前に移民が思い出深い最後の夜を過ごした旧神戸移住センター(旧移民収容所)の再整備事業に対して、日伯協会(神戸市、西村正理事長)が日系コロニアに募金を呼びかけている。同センターを、移住ミュージアムや在住外国人支援の拠点、国際交流の場を備えた「海外日系人会館(仮称)」として再整備するもので、笠戸丸が出港した四月二十八日に着工宣言を行い、〇九年五月の完成を予定している。このほど来伯した西村理事長が本紙を訪れ、「金額よりも多くの人に募金をしていただき、少しでも多くの人の名前を残していきたい」と呼びかけた。
 旧神戸移住センターの再整備事業は、メリケンパークでの移民船乗船記念碑建設や、移住者たちの歩んだ道の整備を目標に行っている海外移住顕彰事業の一環で、今回第三ステップとして日伯協会内に協力委員会を作り同センターの保存・整備を行う予定。
 再整備される同センターは海外日系人会館(仮称)に名前を変え、神戸に関連する移住資料を展示する移住ミュージアム機能、中南米日系人を中心とした在住外国人支援機能、多文化共生と地域活性化を目指す国際芸術交流機能の三機能を持つ施設として生まれかわる。
 展示内容は、JICA横浜海外移住資料館の内容とは異なるものにしようと考えている。外国人支援機能では、神戸市近辺に在住する外国人たちを対象に支援を行っていく。
 同センター全体の改修費は、約六億数千万円で、その費用は国土交通省、兵庫県、神戸市で賄う。募金は二千万円を目標にしているが、金額より多くの人に募金してもらうことを念頭においている。
 同募金は主に在日ブラジル人や中南米の日系人を対象にした教育設備に当てる。個人の募金は一口五十レアル。寄付を行った人に対しては、再整備された施設の中に名前を残す計画になっている。
 神戸での海外移住者顕彰事業はこれまでに、第一ステップとして〇一年に夫婦と子ども三人の銅像「移民船乗船記念碑」をメリケンパークに建立。第二ステップは旧神戸移住センターから神戸港までの移住者たちの歩んだ道を「移住坂」として整備した。また、JR元町駅南側にブラジルのコロニア風交番とイッペーの植樹を行い、順調に事業を進めてきた。
 同センター改修にあたり募金呼びかけのために、十八日、西村理事長ほか斉藤清博カワサキ・ド・ブラジル社(川崎重工ブラジル)社長、沢里嘉勇同社統括副社長、本多マリオ同社広報管理、尾西貞夫ブラジル兵庫県人会会長など関係者が来社した。西村理事長は十七日着伯して以降、パラナなどを訪れた後に、二十四日離伯する。
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 募金の受け付けは〇八年一月から〇九年四月までで、個人は一口五十レアル。払い込先は、ブラジル日本都道府県人会連合会の口座まで。銀行名=Banco do Brasil S.A.、支店名=リベルダーデ支店、支店番号=AG.1196-7、口座番号=C/C.27.458-5、口座名=FEDERACAO DAS ASSOCI ACOES DE PROVINCIAS DO JAPAO NO BRASIL
 銀行振込み時に書類に名前が残らないため、名前と領収書のコピーを県連までFAX(11・3207・5224)する必要がある。県連に直接手渡すことも可能。詳細等は県連(11・3277・8569)まで。

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