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ブラジル人歌手ブラジルを愛す=日本移民100周年に来伯公演=演歌の南かなこさん=5日の歌謡コンサートに出演へ=国旗を取り寄せた

ニッケイ新聞 2008年2月2日付け

 【レジストロ】南かなこさん、二十六歳。現在、日本で大活躍しているブラジル生まれの日系二世の歌手である。片時もブラジルを忘れない。さきごろ両親に、訪日みやげとして、ブラジル国旗を頼んだそうだ。五月の里帰り公演が決まっている。サンパウロはじめ国内四都市だ。まもなく「望郷北岬」などオリジナル曲を心ゆくまで聴くことができる。

 かなこさんの父親はコチア青年の上野満夫さん、母親は二世の艶子さんである。
 小林幸子プロダクションに所属、「望郷北岬」「人恋岬」「居酒屋サンバ」をはじめ、オリジナル曲を十二曲発売、日本全国で名を知られている。作曲は日本の第一線で活躍している弦哲也さん。最近、新曲、二曲のCDを発売することになっている。
 〇三年に第三十六回日本有線大賞の新人賞に、第四十五回レコード大賞の新人賞に輝いている。NHKの歌謡番組や、民間放送のテレビ、ラジオで司会や歌に大忙しである。機会あるごとに、ブラジルの宣伝をしている。
 先週、かなこさんの両親が彼女に会いに日本へ発った。「何を持って行ったらよいか」と問う両親に「何もいらないけれど、ブラジル国旗が欲しい」と答えたそうだ。
 十二歳で日本へ行き、十四年間苦労したその間、片時もブラジルを忘れずに夢を追い、歌手の道をまっしぐらに目指した、かなこさんのブラジルを思う気持ちと不屈の根性に感動する。
 ABRAC―ブラジル歌謡協会はブラジル日本移民百周年を記念して「南かなこショー」を五月二十一日サンパウロで、二十二日サンベルナルド・ド・カンポで、二十三日ロンドリーナで、二十四日には、カンポ・グランデで公演することに決定した。
 それに先立ち、ABRACでは「南かなこの歌」のコンクールを開催し、かなこさんの歌を宣伝する。小林幸子プロダクションは「二月五日、火曜日のNHK歌謡コンサートに南かなこさんが出演する」とABRAC会長、西森あけみさんにメールを送ってきた。テレビを通じて、かなこさんの晴れ姿を見てもらいたい。(金子国栄さん通信)

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