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■記者の眼■=「決まってない」でいいのか?=どうやって入る聖市式典

ニッケイ新聞 2008年4月19日付け

 「百周年式典はどうやったら観られるの?」。六月二十一日のサンパウロの記念式典に関して、方々でこうした疑問が聞こえる。編集部に日本の旅行会社から問い合わせもきた。
 「入場チケットはあるのか」「予約制なのか」「無料なのか」「席は選べるのか」など基本的、かつ素朴な疑問の声がつきない。皇室が参加される予定の式典にも関わらず、二カ月を切った段階で、こんな質問が出されること自体、通常はありえないことだろう。
 十九日午前、二十四日に日本政府が主催する百周年セレモニーに出席するため、訪日直前の松尾治執行委員に電話で事情を尋ねたところ、「具体的な内容はまだ決まっていない」と口を濁した。
 果たしてこれで大丈夫なのか――。松尾執行委員長や上原幸啓理事長はじめ、主要な百周年協会幹部らは今回のセレモニーのために訪日する。東京でも必ず、冒頭の質問が出されるはずだ。
 この声にどうやって返答するのか。「現在調整中」と濁しても〃日本の常識〃からしたら、「今ごろ何をやっているんだ」とあきれられるのがオチだろう。
 主要メンバーが訪日している間は、この話が具体的に進展するのは難しいだろう。本来なら、理事長および貴賓客のみがコロニアを代表して訪日し、実務を担う人員は準備作業に徹するべきだ。こうする間にも、貴重な時間はどんどん過ぎていく…。
 地方から貸し切りバスで駆けつけようと考えている日系団体にとっても困るし、多くの一般来場者もそうだ。ツアーを計画するブラジル側日系旅行会社も困っている、というか、あきれている。
 さらに、当日の席配分も重要だ。式典の前後に十六もの県から知事や副知事と慶祝団がやってくると予想されている。当然、大半がしかるべき形での式典参加を希望している。
 その席を〃しかるべき形〃で確保できるだろうか。訪伯団が細長い式典会場にバラバラで座ることはあってはならない。
 一般来場者の席配分も同様に重要だ。会場のサンボードロモはとにかく細長い。横に五百メートル超ある。皇太子殿下ら主賓が列席されるのは中央付近になり、仮に末端部分にすわったら、位置的に殿下の姿を望むのは不可能だ。
 巨大スクリーンが幾つも配置されるようだが「それなら家のテレビでみたほうがいい」と冷めていう一世もいる。百年に一度の祭典で、誰だって中央から離れた席は嫌だろう。
 松尾執行委員長は「この日は高齢者優先の日にしたい」と話す。他の関係者は以前「主賓が列席される中央舞台前の観客席には、百、九十、八十歳代と年齢順に席を用意したらどうか」と提案していた。
 もしもその通りならば一定の配慮だろうが、具体的な年代別参加人数を把握するのもこれからだという…。広報媒体となる新聞社には何の情報も来ていない。
 パカエンブー蹴球場でおこなわれた移民七十年祭では、皇太子殿下同妃殿下ご夫妻(現天皇皇后両陛下)を、八十年祭では礼宮殿下(現秋篠宮殿下)のお姿を、どの席からも直接観ることができた。しかし、今更嘆いても仕方がない。
 サンパウロの記念式典までわずか二カ月。とにかく早急に決めて周知広報すべきだ。 (泰)

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