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県人移住100年祝う=宮城県人会=母県から約60人迎え=すずめ踊り、地元民謡も

ニッケイ新聞 2008年7月16日付け

 宮城県人ブラジル移住百周年式典がサンパウロ市リベルダーデ区の宮城県人会館で十四日午前から、県人会創立五十五周年、仙台七夕祭り導入三十周年を兼ね、華々しく挙行された。
 母県からは、伊藤克彦・副知事、高橋長偉・県議会議長、京極昭・宮城ブラジル友好協会会長ら、五十八人の慶祝団を迎えた。ウィリアン・ウー連邦下院議員、羽藤ジョージ、神谷牛太郎両サンパウロ市議、西林万寿夫在聖総領事ら来賓をはじめ、多くの日系団体、他州やパラグアイからの出席者ら、約三百人が駆けつけ、日伯友好の絆を確かめ合った。
 式典では、県人会関係物故者への黙祷、サンパウロ州軍警吹奏楽団による日伯両国歌斉唱の後、宮城県ブラジル親善訪問団と来賓の紹介が行なわれ、会場からは大きな拍手が送られた。
 中沢会長はあいさつのなかで、七夕祭りがサンパウロ以外の地域でも多く開催されていること踏まえたうえで、県人会の役割を強く認識。三年前の会館建設に関して、母県に感謝の意を表しながら、「宮城県とブラジルが手を取り合っていければ」と両国の懸け橋となる決意を新たにした。
 今回七回目の来伯となる宮城ブラジル友好協会の京極会長(慶祝団長)は、「七夕祭りという見事な花を咲かせてくれた」と県人会関係者に感謝の意を述べ、戦前・戦後に渡伯した四千余人の県人の労苦に思いをはせながら、「世界の大国の基礎作りに携わった皆さんに心から敬意を表したい」と話した。
 伊藤副知事は、県人の百年の歴史を振り返り、その健闘を称え、「サウーデ、ヴィーヴァ、万歳!」と締めくくった。
 続いて、二百二十一人の高齢者(八十歳以上)、十一人の功労者が表彰され、伊藤副知事から感謝状と記念品が手渡された。
 受賞者を代表して謝辞を述べた相沢弘二相談役は、「わが身に余る光栄。これからも会員の親睦、融和に出来るだけ協力したい」と身を引き締めていた。
 仙台市からは、七夕の普及を行なっている宮城県人会、サンパウロ市、サンパウロ市議会、アサイー市、リベイロン・プレット市、サン・セバスチョン市、サンパウロ観光公社が表彰された。
 各団体から互いに贈呈が行なわれ、留学生・研修生OBによるあいさつ、小野寺マキさんによる『ふるさと』独唱の後、郷土民謡『さんさ時雨』で会場の声が一つになった。
 午後から開かれた交流会では、記念ケーキカットの後、会食懇談が行なわれた。参加者らは、歓談を楽しみながら、すずめ踊りや民謡などを楽しんでいた。

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