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ニッケイ新聞 2008年9月27日付け

 「ブラジルは、日本の最高ポストに良いアミーゴを持ったと言えそうだ」。エスタード紙二十六日付社説では「麻生太郎とブラジル」とのタイトルで、百周年の年に誕生した知伯派内閣を歓迎する内容が論じられている。同社説に、麻生首相は「ポ語ができる」とあるのは少々好意的に解釈しすぎかもしれないが、英語の方は堪能だと日本のメディアも報じている。ただし、「日本移民がブラジル発展のエンジンとして貢献したように、日本のデカセギも貢献できるかもしれない。麻生太郎は在日ブラジル人の状況に関心を持つべきだ」と釘を刺すのも忘れていない。
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 二十八日午後一時から文協大講堂で行われる丹下セツ子太鼓道場三十周年記念発表会。先週末、日本から応援に駆けつけた助六太鼓の今泉豊さんは、全伯の若者に広がる和太鼓の状況を喜びつつも、「古典落語にように、何度聞いても味わい深いような音を叩けるようになるには、まだまだ練習が必要」と釘をさす。太鼓はただ単にカッコよいだけでなく、日本文化の真髄たる深みが伴ってこそ、本当の響きが出るという。横への広がりだけでなく、縦への深みがこれからの太鼓の課題のようだ。
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 サンパウロ人文科学研究所は中南米唯一の万葉集研究家、脇坂ジェニさんを講師に招いた研究例会を三十日午後六時半から、文協ビル十四号会議室で開く。テーマは「万葉集と私」。脇坂氏は長年の万葉集研究が認められ、今年五月、奈良県万葉文化振興財団主催の『第一回 NARA万葉世界賞』を受賞している。講演は日本語で行われる。入場無料。詳しくは人文研(電話=11・3277・8616)まで。

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