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東西南北

ニッケイ新聞 2008年10月17日付け

 いったん底を売ったかに見えた金融危機は十五日、底なしの深みを見せた。米国の九月小売売上高の大幅な落ち込みが発表され、金融危機が実体経済に悪影響を与え始めたことに嫌気し、米国金融市場が暴落、サンパウロ市証券取引所に飛び火し一一%下落した。世界同時不況への不安が高まったとして十六日の東京株式市場は史上二番目の下落率一一・四一%を記録。同十六日のサンパウロ市証券取引所も正午頃、一時的に八・二二%も下落するなど不安定な状態が続いている。
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 世界金融危機の影響でアルゼンチンへの観光客が減少している。特にブラジル旅行者減が顕著というが、ブエノス・アイレスでは観光収入が一五%減り、全国では今後二五%減に達するとの予想も。対するブラジルはのんきなもので、クリスマスは買い控えが必要と考えているサンパウロ市消費者は二六%。子供の日商戦では為替変動が価格に反映されたというが、ルーラ大統領の肯定発言の姿勢が国民に波及か、それともまだ変化を感じていないだけか。
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 サンパウロ州市警のストは一カ月以上経ち、銀行ストには裁判所が停止命令など、給与絡みのストが続いているが、今度はサンパウロ州都電(CPTM)が一二・一五%の給与調整を要求。交渉決裂の場合は二十日にスト突入という。スト決行の判断は、十七日までの解答次第というが、インフレ再燃の声が出始めた中、懐が寂しくなってもストどころではない人たちも多い。
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 子供や青年に高コレステロール? 常識を覆しそうな報告だが、二〇〇〇年から二〇〇七年にかけてのカンピーナス大学で調査によると、青少年の四四%が高コレステロール状態。中性脂肪が多い子供も、二~九歳で五六%、一〇~一九歳で五〇%。食生活や運動不足などの生活習慣の問題と見られるが、青少年向け人間ドックが現実味を増すのも時代の趨勢か。
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 サンタカタリーナ州カノイニャスで十五日、体育館の壁が突然崩れ、室内サッカーに興じていた子供達を直撃した。この事故で、一二歳の少年一人が死亡、一二歳と一三歳の少年四人が怪我。事故当時、現場では強い雨と風が記録されており、救助に当たった消防隊では、天候のせいで起きた事故か、建築物の問題かは不明としている。

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