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東西南北

ニッケイ新聞 2008年11月5日付け

 二日のニューヨーク・マラソン参加のブラジル選手に明暗。優勝したサントス氏が明だとすれば、ゴール後に気分が悪いと訴えて病院に運ばれたサンパウロ市在住のゴーメス氏(58)は暗。手当ての甲斐なく亡くなり、遺体がブラジルへ運ばれる。同様に入院した選手二人の内、一人が心臓麻痺で死亡したというが、ゴーメス氏の死因は不明。事前の検査不足も指摘されている。
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 三日にポルト・アレグレで民家二軒を焼いた火事は、無人だったため被害者もなかったが、同市では二カ月間に九件の火事が起き警察が調査中。一方、サンパウロ市とその周辺で続いている、車に死体を積んで焼く事件では、一日に今年二四人目の被害者確認。また、サンパウロ市では郵便局職員を装った男性が家人や使用人、門番を銃器で制圧するという強盗事件が一〇件以上発生している一方、サンパウロ市在住の中国人を狙う強盗団が三カ月で五〇軒余りの店や自宅に侵入。特に最近一カ月は、ロシアン・ルーレットによる死者四人の報告も出ているという。単発事件も連続事件も、市民の平和を脅かすことでは一緒だが…。
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 サンパウロ市の地下鉄では、三日から六〇歳以上の男女三三人が乗客案内の任務に。セー、サウーデなど五駅での勤務だが、サンパウロ市と地下鉄の共同プロジェクトのため、二〇〇人以上の候補者から選ばれた新職員の任期は一年。「家では一人きりだけど、ここでは自分も社会に役立っていると感じる」という女性職員の案内で、遅れかけた検査に間に合った人もいる。
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 サンパウロ州サントアンドレの人質事件被害者エロアーさんの臓器(心臓、すい臓と腎臓)を移植された患者二人が三日に退院。運動制限や食事制限のない新生活が始まった。

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