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商議所=植木元大臣が特別講演=資源、金融危機など幅広く

ニッケイ新聞 2008年11月19日付け

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の十一月定例昼食会が十四日、サンパウロ市内のインターコンチネンタル・サンパウロで開かれ、元鉱山動力大臣の植木茂彬氏が「最近のブラジル沖岩塩層下海底大油田発見について」と題して講演した。
 日系初のペトロブラス総裁になった植木氏は、「バストスで勉強した日本語で話させていただきます」と切り出し、約六千メートルの深海から岩塩層下にある石油を採集する技術を紹介。また、生産コストに関して「一バレル五十~六十ドルなら黒字になるとされているが、三十五ドルまでならなんとか大丈夫」と持論を展開した。
 続けて、ブラジル沖の岩塩層下の石油埋蔵量には「現在のジョゼ・セルジオ・ガブリエリ・ペトロブラス総裁が八百億バレル、エジソン・サントス人種平等政策局長は百五十億バレルなどと発言しているが、それは無責任。埋蔵量は四十~百二十億バレルだろう」と推測した。
 エネルギー使用に関しては「ブラジルは資源が豊かな国だが、開発資金にとぼしくあまり使用していない」と話し、年間使用量を紹介。日本では一人あたり四千五百キロワット、一方ブラジルでは二千キロワットにとどまる。
 今後の課題については、「石油埋蔵量は減少していくので、ソーラーなどの再生可能エネルギー利用を増やした方がよい」との方向性を説く。ブラジルではすでに五二%が、エタノールや水力発電などの再生可能エネルギーを使用していると、代替エネルギー大国振りを説明した。
 このほか、現在の世界金融危機についても言及し、「三カ月前で五千五百億ドルの損害と発表していが、現在では一兆四千億ドルの損害と発表しているので、まだまだ影響がある」と断言した。「〇九年は悪い年になる。〇八年は良かったというかもしれない」と冗談口調で話した。
 植木氏はまた、以前銀行に融資を頼みに行った際に「ブラジルはデザートの国(砂糖ばかり生産している)だから、世の中に必要なものを作らないと」と苦言を呈されたエピソードなども紹介し、現在では大豆や小麦など世界に必要な物産を輸出していると述べた。
 最後に、人口の増え方から今後のブラジルを予想。「現在二・五%でブラジルの人口は伸びているが、将来は一%ちょっとだろう。これは日本がバブル経済の時の数字と同じ。ブラジルでも人口減少がいずれ始まるだろう」とし、「その時に備え、今後は教育にもっと力を入れないといけない」と締めくった。

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