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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年1月17日付け

 ブラジルとボリビアにはSUCURIという巨大な蛇がいる。パンタナールやアマゾンに棲み豚を丸呑みにすると先輩の移民から聞いたし、世界で一番大きいのだとも話していた。この大蛇については誇大妄想かとも思えるような途方もない話がいっぱいあるし、あるときは日本の動物学者との論争にも発展したらしい▼今から50年ほど昔に植物学者の故橋本悟郎氏の岳父が、ブラジルには40㍍にも達する蛇がいると書いたものを上梓したそうである。未読だけれども、これが日本に伝わり当時の中央公論が、座談会を開き記事を掲載したそうだ。専門家たちは地上の動物で最大なのは25㍍であり40とか50はいないと述べ日伯で激しい議論になったと聞いている▼この巨大な蛇については、邦字紙記者から文化協会の事務局長に転じ凄腕を発揮した故・藤井卓治氏にも受け継がれている。アマゾンを視察したときの物を纏めた本を出版し、その中に大きさは50メートル?とか記し、写真も掲載され射殺するのに小銃では効果がないので機関銃を使ったといったような記述があったと記憶する▼この本もどこかに仕舞い忘れ再読できないのは無念ながら1950年代の頃は、こんな信じられないような話があたかも真実の如く語られたのは真に興味深い。実際、SUCURIにまつわる与太話は面白い。とにかく話は大きいし、途轍もないことばかりなので半分は嘘だろうなと疑いながらも、つい耳を傾け「なるほど」と頷く。あの25㍍限界説を知りながらーである。  (遯)

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