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カルメン・ミランダ=サンバの歌姫生誕100年=ブラジル大衆音楽の女王=米国でより知られた音楽家

ニッケイ新聞 2009年2月11日付け

 ブラジル大衆音楽の黄金時代(一九三〇年代)を築き、サンバ界の歌姫と呼ばれた後、米国で成功。それが二月九日に生誕一〇〇年を迎えたカルメン・ミランダことマリア・ド・カルモ・ミランダ・ダ・クーニャだ。
 ブラジル大衆音楽の女王とも呼ばれるカルメンは、ポルトガル生まれ。移民としてリオに移り床屋をやっていた父親は、一九一〇年に家族を呼び寄せたが、その生活は裕福とはいえなかった。
 しかし、帽子やネクタイを売る店で店員として働いていた彼女に、やがて転機が訪れる。
 二〇歳の時、国立音楽院のアマチュア音楽祭に出場。作曲家ジョズエ・デ・バロス氏の目に止まってプロへの道を歩み始めた彼女は、一九二九~三九年に二八一曲を録音。大半は新曲で、ヴィクターから販売のレコードは次々に売れた。一九三〇年のカーニバルで初期のアルバム「タイ」が大ヒットし、スターダムを駆け上った彼女だが、その声と歌に込めた情感の豊かさはずば抜けたものであったという。
 一九三六年に初出演の「アロー・アロー・カルナヴァウ(カーニバルの声)」など、国内録画の映画も六本。ラジオでは女性歌手初のレギュラー番組を持つなど、絶頂を極めた頃オリオンに移籍。ドリヴァウ・カイーミとのデュエット「バイーア娘が持っているものは何?」など、多くの作曲家や男性歌手が世に出るきっかけも作った。
 一九三九年からはブラジルで共に活動したバンド・ダ・ルア同伴で渡米し、音楽、映画に活躍。熱帯の果物を載せ、カラフルなターバンとバイーア女性が祭日に着る服を身にまとい、情熱的で華やかなブラジル女性を演じることを求められて成功し、米国を征服した唯一の南米人とさえいわれる。
 だが、この典型イメージは終生彼女につきまとい、ブラジルでは歓迎されない原因ともなり、一九四〇年の一時帰国で冷たくあしらわれた。米国に戻り、四六歳で生を閉じた彼女の遺体は、寂しくブラジルに埋葬された。
 現在、リオ市フラメンゴのカルメン博物館で生誕一〇〇年記念のショーや展示他、サンパウロ市イピランガのSescやリオ市芸術劇場などでも特別イベントが計画されている。

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