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東西南北

ニッケイ新聞 2009年3月27日付け

 サンパウロ州での元妻殺害、子供誘拐で二十五日逮捕の容疑者は、彼女の携帯にかかってきた電話の相手が自分も知っていた男性であったことで逆上したが、殺すつもりは無かったと供述した。一方、ミナス州では八一歳の老女が別れた夫を殺害という事件も。二十三日夜、元夫の就寝を待って自宅に侵入し、斧で頭を三回切りつけたもので、一五年も脅し、年金も巻き上げてきた元夫に、当日も脅されての犯行。嫉妬や怒り、絶望が生じさせる負のエネルギーは恐ろしい。
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 その対極の例は、アルゼンチンのラプラタからモーターボートで出かけた男女。途中で気分が悪くなった女性が帰りたいと言い出した時、ボートの底に穴が開き浸水。あっという間に沈む中、救命胴着を身に着けたもののとても泳げる状態ではない女性に、「助けを呼んでくるから、ギリギリまで頑張れ」と声をかけた男性は、七時間泳いで岸に着き、救助を求めた。一方、水中でもう助からないと諦めかけていた女性は、事故から一二時間後、ヘリコプターの音と探索のための光に気付いた。最後の救出場面には自らも参加した男性との再会を喜んだ女性。「二人ともが死からの生還を果たした」との女性の言葉が絶望の淵を通ったことを証している。
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 リオ市のファヴェーラ・ロシーニャでの麻薬組織摘発は、三日で五人死亡、一九人逮捕、一トンの大麻など、麻薬や銃器の押収といった成果も挙げている。サンパウロ市パライゾポリスのように警官駐留の考えもあるようだ。
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 サンパウロ市内のバスでも電光掲示板で様々な情報を流し始めたが、誤報や画面停止の苦情が出た所がある。SPTransでは回線の接続不良が原因というが、間違った情報は百害あって一利なし?

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