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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年4月3日付け

 「ようやく人並みにインターネット(ラジオ無線式)が入りました」。サンタカタリーナ州の〃山里〃ラーモス移住地から、喜びのEメールがきた。ちょうど今、サンパウロ市のスーパーにも並んでいる美味しい和梨「豊水」を生産していることで有名だ。〇七年九月にアスファルト道路の開通式をしたばかりで、またも朗報だ▼毎年、斎藤準一空軍総司令官に和梨を贈呈している。たまたまその梨を総司令官が食べている時に、国防大臣が通りかかって試食して気に入ったことから、昨年四月には、わざわざ特別機で二人が同移住地を訪問した。地元日系人がもちよった日本料理を「二人のミニストロ(大臣格)とも巧みな箸使いで食べた」と居合わせた文協関係者から聞いた▼国防大臣たっての希望で先月、州都フロリアノーポリス空港に立ち寄った斎藤総司令官に、今年の和梨を渡したという。届けに行った小川和郎さん(和巳さんの長男)は三時間ほども歓談、「総司令官は大変喜んでいた」とか▼今回はルーラ大統領にも渡して欲しいとお願いしたという。G20サミットで英国に向かう専用機の中で、大統領が「豊水」を賞味したかもしれない▼昨年、百周年式典参加のために訪日した斎藤総司令官と昼食をとった、同移住地出身、筑波大学大学院で梨研究をする山本ロブソン隆さんは、その時の様子を「緊張して食事の味は分かりませんでしたが最高の経験でした」とブログに書いた▼少ない機会を的確にとらえ、大きな人脈を築いてきた。決して立地条件は良くない、八十人ほどの小粒な移住地だがその熱意と実行力には感服する。来年あたりは大統領も訪問?  (深)

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