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援協チャリティーショー=ピアニスト宮下さんが来伯=「日本にいた頃思い出して」

ニッケイ新聞 2009年7月11日付け

 「住みたいなと思うほどブラジルが好き」――。十二日の援協創立五十周年記念事業『チャリティーショー』に出演する作曲家・ピアニストの宮下和夫さんが十日着聖した。今回で六度目の来伯となる宮下さん。本紙に来社し、ブラキチぶりを端々に出しながら「特に一世の方に曲を聞きながら日本にいた頃を思い出し、それぞれのご苦労を癒して頂けたら」と公演への意気込みを語った。宮下さんは十五日のトメアスー日本移民八十周年記念「サンパウロ前夜祭」にも出演し、十年前のマナウス滞在時に作曲したアマゾン組曲を披露する。
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 初来伯は一九九八年。「ブラジルには日本にない良いものがいっぱいある。血が騒ぐというか、気質に合うんですね」。マナウスの知人のもとへ遊びに来たのがきっかけで、宮下さんはその魅力に引き込まれ、二年連続で四度も来伯。全てプライベートだ。
 その際、アマゾンのベラ・ビスタ移民祭に足を運び、移民の苦労話を聞いた宮下さん。「涙なしには聞けなかった」とそのとき受けた強い衝撃を話す。そして「日系人の方はすごく親切。コロニアの方々に演奏を聞いてもらえるとは、その時は思ってもみなかった。嬉しい」と顔を綻ばせた。
 同ショーでは、移民が愛した童謡・唱歌を弾きながら、映像とともに四季を巡っていく。同氏が作曲した「京都・大原の四季」も披露。「大原の春」は自身の母に捧げた曲。そして「大原の秋」は、同コーディネーターを務める藤瀬圭子さんと電話で話した後に生まれ、「藤瀬さんに贈る曲」という。
 同席した藤瀬さんは、同ショーを前に手術するなどの苦労を振り返りつつ、「当日、皆さんと一緒に楽しませてもらいたい」と話していた。
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 援協「チャリティーショー」は十二日午前九時から文協ビル大講堂(サンジョアキン街381)で開催。前売り券は援協、ニッケイ新聞等で販売。
 トメアスー日本移民八十周年記念「サンパウロ前夜祭」は十五日午後七時から客家会館(サンジョアキン街460)で開催。入場料百五十レアル(夕食代込み)。予約・問い合わせは藤瀬圭子事務所(11・3207・6626)まで。

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