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ニッケイ新聞 2009年9月18日付け

 日本航空(JAL)は二〇一一年までに、現在週三回就航する成田サンパウロ便を廃止することを決定した。VARIGがなくなってから、唯一の日本行き直行便だった。グアルーリョス空港で、あの紅白の機体を見るのも後二年▼日本では高いイメージがあるようだが、ブラジルで購入する分には値段の大差はなく、コラム子も利用していた。ニューヨークでわずか二時間の乗り換えというのが便利だし、機内での日本語、機内食、新聞や雑誌を読みつつ、次第に肌が日本に慣れていく感覚も楽しかった▼JALがブラジルに就航したのは、移民七十周年祭が行われた一九七八年六月二十日。昨年は就航三十周年を記念、八月に初チャーター便が沖縄からの慶祝団四百人を運んだ。十月には「翼が結ぶ日伯交流」として、移民が上陸したサントス上空を回り、就航開始からの歴代制服を着込んだスチュワーデスが参加者を喜ばせた▼アメリカがブラジル人に通過ヴィザを課したときも、迅速にカナダ、メキシコ便を増便。利用者の気持ちになったサービスに日系人のファンも多かった。〇八年、ブラジル航空機会社のエンブラエルから、「エンブラエル170」の初号機を購入、百周年での日伯経済交流〃飛翔〃の象徴ともなった▼「淋しいですねえ。残念です」と声を落とすのは原沢和夫さん(85、新潟)。「船で二カ月かけて来た移民にとって、あの機体を見たときは感動だった。また日本が遠くなりますね」。特別な思いを持つ移民らだけでなく、その廃止を惜しむ声が各方面から聞こえてきそうだ。 (剛)

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