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東西南北

ニッケイ新聞 2009年11月14日付け

 サッカー選手アドリアノ(フラメンゴ)は、ドイツ代表チームのゴールキーパーのロベルト・エンケが、うつ病で悩んだ末、10日に列車に飛び込み、自殺とのニュースに自分の過去を重ねた。自分自身、父親の死後、うつからアルコール中毒に陥った経験を持つアドリアノは、多くの人への注意も呼びかけている。
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 10日の大停電の影響は至る所で報告されているが、労働者党(PT)とブラジル民主運動党(PMDB)の間の不協和音もその一つ。PT国会リーダー、イデリ・サルヴァッチ議員が「官房長官(PT)が鉱動相なら、広域停電は発生しなかった」と発言し、連立与党内部に亀裂。広域停電の理由が未発表の段階で、PT議員がPMDBのサルネイ上院議長の息がかかるエジソン・ロボン鉱動相への批判を開始し、PMDBは逆に政府に対し迅速な原因究明を求める泥試合に発展したもの。野党はこれを利用する構えを見せている。
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 一方、急な電圧変化で起きたショートによる機械故障や火災発生も、大停電の後日譚の一つ。電気修理店は大喜びだが、リオ市南部に住む男性の様に、ショートによって起きた火災でアパートが焼け、長年の絵画コレクションの大半を失った人も居る。「我が身の一部を失った」とまで言う男性にとり、その喪失感は何をもってしても埋め難いことだろう。
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 年末の買い物客80万人が訪れたサンパウロ市の25・デ・マルソで12日、正式な営業許可を持たない露天商が、軍警やメトロポリタン警察(市民警備員:GCM)と衝突。催涙ガスも使われ、驚いた買い物客が逃げ惑う中展開された捕り物劇では、GCM1人が負傷、露天商13人が逮捕された。

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