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農業の山本賞4氏決まる=コーヒーの下坂さんら=特別賞に台湾人の孫氏=みんなで祝して」

ニッケイ新聞 2009年11月14日付け

 農業分野の貢献者を称える山本喜誉司賞(ブラジル日本文化福祉協会同賞選考委員会、高橋一水委員長)の第39回受賞者4人がこのほど決定した。11人の候補者の中から選ばれた。また今年、ブラジルへ梅を広めた台湾人の孫河福さんに特別賞が贈られる。27日午後7時からリベルダーデ区の文協ビル貴賓室で授賞式と祝賀パーティーが行われる。
 報告に高橋委員長、杓田美代子副委員長が来社。高橋委員長は「今回は一世が一人で、二世の受賞者が増えてきた。自然な流れですが時代がよく現れている」と全体的な感想を述べ、「一世が得意とする細かい技術開発での貢献に比べ、二世は大規模な貢献」と傾向を話した。
 二人は「ご家族、友人、推薦団体、日系団体の方々みんなで祝したい」と参加を呼びかけている。
 参加費は一人30レアル。出席者は20日までに文協(11・3208・1755/レジーナ)へ要連絡のこと。
 【受賞者と受賞理由】(敬称略・順不同)
 ◎下坂匡(ただし、72、福島、ミナス州カルモ・ド・パラナイバ市在)=「気候は変えられないが土質は人間の力で変えられる」を信念に、コーヒー栽培に多角的農業を取り入れて、不毛の地と言われたセラードを緑の楽園に蘇らせた。また40年以上にわたり167人の日本からの研修生を受け入れるなど、日伯交流にも貢献。カルモ市名誉市民。
 ◎頼則(よりのり)忠志ジョゼ(66、パラナ州ロンドリーナ市生まれ、同地在)=農業技師。政府の大豆研究所に勤務し、大豆のサビ病の防除法を抵抗性品種の搾除・栽培法等を確立。ブラジル全国の大豆生産の発達、経済に大きく貢献した。ロンドノポリス市名誉市民、マット・グロッソ州名誉州民、プリマベラ・ド・レステ市名誉市民、笠戸丸表彰など受彰。
 ◎松田マリオ(78、サンパウロ州アダマンチーナ市生まれ、同地在)=パカエンブー市とアダマンチーナ市議を経て、1965年にアダマンチーナ総合農業共同組合(CAMDA)を創立、22人で始まった組合員は現在1万1千人以上。多角経営の確立など、組合経営の手腕が評価されている。アダマンチーナ市名誉功労賞受賞、同市名誉市民章、ジュンケイロポリス市名誉市民。
 ◎徳永隆則(69、サンパウロ州フェルナン市生まれ、ピンダ・モニャンガーバ市在)=農業技師としてアテモイア新品種トンプソン種の品種改良をし、輸出へ貢献。南米各国・ドミニカ共和国で日系農家に米栽培、果樹栽培指導。現在、タウバテ農科大学果樹学教授。
 ◎孫河福(81、台湾、サンパウロ州ボツカツ市在)=1966年、家族に持って来させた梅の台湾種を結実させ、ブラジルに広めた。

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