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ブラジル研修8カ月の手応え=交流協会の報告会・忘年会=研修生4人が成果を発表

ニッケイ新聞 2010年1月6日付け

 日伯の架け橋となる人材を育てることを目的にしたブラジル日本交流協会(ANBI、二宮正人会長)は12月13日、サンパウロ市で月例報告会を開催した。
 報告会にはサンパウロ市で研修する4人の研修生が参加。それぞれの研修テーマに沿った近況報告を行い、OBらで構成される運営委員、アドバイザーと共に生活の様子などを語り合った。
 最初に金原正幸運営委員から、「あと2カ月の研修期間を有効に使えるように、今日はざっくばらんに反省点や悩みなども含め、発表して欲しい」とあいさつ。
 将来、日本でブラジル風の飲食店を開く夢を持つ古川悠さん(31、神奈川)は、研修先のラーメン店での様子を報告し、「来伯前はどんな店にするのか分からなかったが、今では具体的に少しずつ前に進んでいる」と手応えを話した。
 二宮弁護士事務所で研修をしている古賀アンドレア香桜里さん(22、三世)は、法律の翻訳や医学辞書の翻訳の確認などを行っている。
 研修テーマは自身の体験も踏まえた「日系人の家庭教育」。デカセギ子弟問題に取り組むISEC(文化教育連帯学会)のカエル・プロジェクトにボランティアとして参加した。
 「今後もアンケートなどを通じて、教育事情を調べていきたい」と語った。
 ブンバ出版で研修をしている荒木奈奈さん(23、北海道)のテーマは「ブラジル人における、モード・ジャポネーザの受け入れ」。
 先日、来伯した「カワイイ大使」を取材したことに触れ、「ブラジルにおける日本のロリータファッションの様子や、家族がどう受け入れているかなどをインタビューも交え、これからも調べていきたい」と抱負を述べた。
 さらに、「最近、ポ語で会話が出来るようになってきた。サンパウロ以外も色々と知りたい」と目を輝かせた。
 ニッケイ新聞で研修をする金剛仙太郎さん(32、埼玉)は取材や記事執筆の様子を語り、「インタビューは難しいが、語り手の気持ちに少し近づけた。引き続き、読み手と語り手の気持ちを引き出した紙面を作っていきたい」と抱負を述べた。
 高石憲治アドバイザーは、「今まで新鮮だったものが見えなくなり、今まで見えなかったものが逆に見えてくる。とにかく成し遂げることが大切」と激励した。
 意見交換では、残りの研修期間を有意義に過ごそうとする積極的な意見が多くみられ、各人が気持ちを新たにした報告会となったようだ。
 報告会の後は、関係者、OBを招いた忘年会シュラスコパーティーが行われ、それぞれが歓談を楽しんだ。
 今期の同協会研修生は10人。サンパウロ州のほか、アマゾナス州や南大河州、南マット・グロッソ州やブラジリア連邦区でも研修している。

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