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東西南北

ニッケイ新聞 2010年1月20日付け

 サンパウロ市セー大聖堂で18日、平和部隊従軍兵士や現地聖職者らも含む、ハイチ地震被災者追悼ミサが行われ、カサビ市長やエルンジーナ元市長らも参加。講壇には、パストラル・ダ・クリアンサ創立者のジウダ・アルンス医師への表敬の意味で、女医が率先指導した自家製ソロ(下痢などに伴う脱水症状による死者激減を招いた)を作るための特製の計量スプーンや、乳幼児の体重測定用の秤も奉げられた。ミサでの献金は、カリタス修道会を通し同国復興と人道支援のために奉げられる。
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 ハイチへの人道支援物資は空路や陸路で運ばれているが、ドミニカからの陸路は強奪の恐れがあり、空港は満杯。初期の物資には落下傘部隊で下ろされたものもあるといい、市民の手にも水や食料が届き始めた一方、不安と窮乏の中で何日も過ごした市民は、店跡地などを探し、食料や水、衛生用品などの目ぼしい品を我先に奪い合う生活。支援物資配布作業中の兵士が、押しかけた市民によりケガをしたとか死亡したとかいう報道まで行きかっている。18日までに救出された生存者は91人というが、日々の報道に、眠る所や服、食べ物や水がある生活は当たり前ではないと実感。
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 リオ市で18日朝6時過ぎ、無人電車が一人歩きするという事件発生。問題の電車は、ジャペリ線のリカルド・アウブケルケ駅からオズワルド・クルース駅までを、途中の駅も停車しないまま、時速70キロ以上で疾走。電気系統の問題の原因を確かめようとした機関士が運転室を離れた間に走り始めたもので、電力が切断されて始めて停止。電力切断の影響が全線で出たのはもちろんだが、無人走行と気づいた人々の驚きと恐怖はいかばかりか。

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