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移民史料館=アンドウ・ゼンパチ展=ペンに生きたインテリ移民=来年、神戸でも開催決定

ニッケイ新聞 2010年11月30日付け

 〃インテリ移民〃の存在知って―。ブラジル移民史料館は、文筆活動でコロニアの啓蒙、意識向上を図ったアンドウ・ゼンパチ(1900~83、本名=安藤潔)の足跡を辿る企画展を開催するにあたり25日夜、関係者を招いたイナウグラソンを行なった。
 アンドウの家族、土曜会(サンパウロ人文科学研究所の前身)のゆかりの人々ら約200人が出席、ペンに生きた故人の人生を振り返った。
 アンドウの家族提供の写真や経歴、著書「ブラジル史」の肉筆原稿も展示され、来場者らは熱心に見入っていた。
 イナウグラソンで同史料館運営委員会の栗原猛委員長は、関係者に感謝するとともに、「来年、海外移住と文化の交流センター(神戸)での開催が決まった」と日伯両国での開催となることを報告、喜んだ。
 生前のアンドウと交流があった人文研の脇坂勝則、宮尾進両氏が友人として、「若い人にも優しく議論好きだった」と語り、その人柄を偲んだ。
 会場で配られた評伝を執筆した古杉征己さん(36)は、「金銭ではなく、コロニア社会の文化発展のために生きた人生観を読み取って欲しい」と力を込めた。
 孫のプリニオさん(34)は、「5歳の時、日本から帰ってきた時に会ったが記憶は薄い。(この展示で)祖父がどういう人物だったかしっかりと知りたいですね」と笑顔で話していた。
 「アンドウ・ゼンパチ展」は、ブラジル日本移民史料館9階で、来年1月28日まで開催される。

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