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基金の内山所長が帰国=「ブラジル人のセンスに感動」

ニッケイ新聞 2011年3月1日付け

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターの内山直明所長(60、新潟県)が帰国することになり、あいさつのために24日に来社した。
 09年3月に着任し、2年弱。この間、舞踏の山海塾や大駱駝鑑の来伯イベント時における観客の反応が最も印象深かったとし、「身体の動かし方についてのブラジル人のセンスは敏感、ものすごいものがあると感動した」という。
 金融危機後の政治変化を受け、「業務仕分け」によって交流基金自体の予算が削られる中での文化事業展開だった。サンパウロ市同センターの維持費・事業経費は08年が346万レアル、09年は330万レ、10年は300万レと縮小する一方の中で厳しい運営を迫られた。
 その状況の中で、海外における日本語教育の充実を目的に、海外の日本語教育機関の中核メンバー約100組織をつなぐ「さくらネットワーク」を作ってきた。
 南米ではブラジル一国のみ、次の5機関が登録された。サンパウロ大学、同基金サンパウロ日本文化センター、ブラジリア大学、リオ連邦大学、ブラジル日本語センター。各機関から独自の計画書を提出してもらい、基金が査定して予算をつける。
 内山氏は以前マレーシア、韓国、フィリピン、パキスタンなどに赴任、「日系社会があったのはブラジルだけ。そのパワーには驚いた」とも。帰国後は定年退職し、幼稚園園長になることが決まっているという。後任は4月に赴任する。

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