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文協=IPTU145万レを滞納=林アンドレ評議員が明らかに=小川派が体制を徹底批判=「体制の2年間はゼロ」

ニッケイ新聞 2011年4月28日付け

 「体制グループは我々評議員さえも馬鹿にしている」——。林アンドレ文協評議員は、文協の4年分のIPTU(家屋税)未納分が145万レアルに累積していることを明らかにし、「会計・事業報告書が届いたが、何も触れていない。こんな重要な問題を評議員にも伝えないのは馬鹿にされているよう。現体制に透明性などない」と指弾した。今月30日の会長選挙を控えた26日、体制打倒を叫ぶ小川派は記者会見を開き、「木多体制の2年間の評価はゼロ」と徹底批判を繰り広げた。このIPTU問題について、文協側は「市の間違い」としている。

 小川派である「みんなの文協」に名を連ねる林アンドレ(評議員会監査)、山村敏明(副会長)、下本八郎(評議員会長)、宮原ジョルジ(副会長)各氏が出席した。
 小川氏は、『国士舘エコロジーパーク』に関して、「地形も合っていないし、予算面でいえばマラカナン球場を造るようなもの。こんな嘘のプランで選挙に勝とうと考えるのは無責任」と木多体制が進める〃夢のプラン〃を切って捨てた。
 文協が発行する機関誌『BUNKYOニュース』については、「キレイ事ばかり。現体制が2年間で何か印象に残ることをやっただろうか。あるなら教えて欲しい」と逆に記者らに質問を投げかけた。
 新聞社が開催を打診したデバッテを木多会長が拒否したことについては、「人前で話せない人間が全伯日系団体の代表をどう務めるのか」と指摘し、「文協を守るのではなく、自分たちを守ることばかり考えている。それが今の体制」と改革の必要性を訴えた。

第2のINSS問題か…

 林氏は、サンパウロ市が文協に徴収するIPTU(家屋税)の07年〜10年分(145万レアル)が未納となっていることを指摘し、「この事実を会員はおろか評議員の多くが知らない。30日の評議員会の議題にも上がる予定がない」と指摘する。
 文協側の説明によれば、IPTUは毎年請求が来るものの、免税措置を図ってきた。
 しかし、07年分から、何故か文協ビル内に他団体が所有する不動産のものもあわせたIPTUが請求され始めたことから、免税措置を要求すると共に、異議を申し立てているという。
 山下譲二副会長は、「市側の単純な間違い。現在弁護士を通して修正を申請している。事務的な問題」と楽観視する。
 「県連が購入ようとしている元援協事務所の売買が成立しないのでは。市から文協が訴えられる可能性もある」とする林氏に対して、県連の園田昭憲会長は、「現在、援協が以前通りの請求をするように申し立てている。大きな問題とは認識していない。解決次第、購入手続きを行なっていく」との見方を示している。