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【第20回AFLORDアルジャ花祭り】汎ヅットラ花卉生産者協会の概況

ニッケイ新聞 2011年8月6日付け

 汎ヅットラ花卉生産者協会は、1981年、ヅットラ街道(リオ・デ・ジャネイローサンパウロ街道)に面した地域(アルジャ、イタペチ植民地、桜高森植民地、ジャカレイ、サンジョゼ・ドス・カンポス、タウバテ等)で花卉生産を営む65人の日系人賛同者により創立された。
 その翌年、アチバイア、スザノ、エンブー、コチアの日系花卉生産者団体と当協会の5団体により、サンパウロ花卉生産者協会中央会が組織され、オランダ系の花卉組合であるオランブラと共に、その当時まだ黎明期であったブラジル花卉産業界のその後の発展に、中心的役割を果たす下地が作り上げられた。また、汎ヅットラとしてもその後独自に活発な事業活動が展開されていった。以下にその内容を略記する。
(1)ヅットラ花卉技術センター設立とその後の発展
 87年、元竹中商会肥料部の主任担当技師であり、当時セラード開発に従事していた北方邦雄技師を当協会に招聘する。農業専門技術指導員として北方技師を招聘し、会員への巡回指導を開始すると同時に、アルジャ市郊外にて借地ながら花卉技術センターが設立され、肥料の製造、病虫害、土壌の検定、作物別研究会、栽培試験、各種会合等が盛んに行われた。また93年、同じくアルジャ市郊外でPL教団所有の土地を購入し、現在のセンターに移転して以降、後述の花卉展による利益を資金に、事務室、会議室、宿泊所、肥料工場、ラボラトーリオ、指導員の研究室、試験用ハウス等の施設が増設され、その活動内容も、前述した事以外にも洋ラン苗や花壇苗の生産および育種、講演・講習会の実施、花卉展の開催、役所・公共機関からの情報収集および交渉の窓口としての役割、研修受け入れ等、年々多岐かつ専門分野に及んでいる。
(2)各地の花卉展・祭典への参加、協力
 83年アルジャ市制祭への参加を皮切りに、イタペチ・ポンカン祭り(83〜85年)、ポア市ラン展(83年)、スザノ花卉展(84年)、ジャカレイ花卉展(84年)、ジャカレイ農畜産展FAPIJA(85年)、タウバテ農産展(94〜95年)、モジ・ダス・クルーゼス秋祭り(94〜95年)等への参加・協力をした。また、93年より当協会花卉技術センター敷地内において、独自のエスポ・アフロード・アルジャが開催され、近隣都市からの参観者に好評を博し、オランブラ、アチバイアと共に大サンパウロ圏内の花祭りとして、不動の名声を獲得している。
(3)花市場建設事業の推進
 花卉生産者協会中央会において、花市場建設準備委員会を設置、その後市場建設のためのパイロット会社、セントラル・フローレス社が設立され、多くの当協会員もこれに加入した。また当協会独自に花卉流通・販売調査委員会が組織され、市場建設に向け検討を重ね、これが母体となって、サンパウロ花卉農業協同組合が設立され現在市場経営が実現している。
(4)研修・視察活動 
 国際農友会、国際協力事業団、全拓連、ワールド・ワイド等の研修生受け入れ制度を利用し、多くの会員子弟が日本、アメリカ、アルゼンチン等の花卉生産者・企業或いは農事試験場に実習生として派遣された。又、会員自身も国内ではオランブラ、アチバイア、ブラジリア等、国外では北米(アメリカ・カナダ)、日本、アルゼンチン、イスラエル等の花卉事情の視察を企画・実行した。
(5)後継者育成事業
 87年、協会青年部が開設され、実習体験をした多くの会員子弟がこれに参加したが、20年経過した現在では、当時の青年部員が当協会の活動運営に欠かせない存在となっている。
(6)グループ別研究会の実施
 当協会の一つの特徴として、洋ラン鉢物生産者が多く各種洋ランのグループが結成され、盛んに研究会がもたれた。特筆すべきは、当地域に自生するオンシジュームの育種について、94年より98年まで全拓連による地域活性化援助資金の給付対象事業に認定され、着実にその成果を収めていることである。
(7)地域社会との交流
 花卉展の開催・参加協力以外にも、やすらぎホーム、希望の家、カンポス・サナトーリオ等養護施設への寄付協力、アルジャ市内の公園整備、街路樹の植樹協力、タウバテ陸軍士官学校にて日本庭園の造成等、地域社会への積極的な参加・協力も行っている。
(8)講演会の実施
 主に日本から花卉分野における権威を招聘し、講演および実地の指導が多く行われた。
(9)職員について
 現在、当協会にて働く職員は以下の通り。農業技師2人、事務局員3人、ラボラトーリオ2人、肥料工場2人、施設管理2人の計11人。
(10)現在の生産規模
 因みに当協会員により現在栽培されている洋ランは、十数種類、年間出荷総数390万鉢余りに及び、ブラジル、南米はもとより世界でも有数の洋ラン生産地帯となっている。

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