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東西南北

ニッケイ新聞 2012年2月21日付け

 リオのカーニバルのブロッコで今年人気を博してるのが「サルジェント・ピメンタ」というビートルズのブロッコ。カーニバルにイギリスの60年代のロックとは一見意外だが、これが案外と受けがよく、観光客とブラジル人が一体となって歌う共通言語的な役割を果していると言う。ファッション的にもわかりやすいため、ビートルズ・ファンタジアも人気だとか。カーニバルに必要な「愛と平和」に向いているということか。
     ◎
 08年にサントアンドレで起きたエロアーさんの篭城殺害事件は、100時間超というブラジル最長の人質事件で、陪審裁判ではリンデンベルグ・アウヴェス容疑者に98年10カ月の実刑判決が出たが、この事をスイスのジュネーブで聞いたエレオノラ・メニクッシ女性政策局長官は、偉大な勝利と涙。女性政策局長官として初の国連会議の場で、ブラジルでは危険を伴う中絶のために毎年20万人の妊婦が死亡し、女性への人権侵害なども頻発と批判された後だけに、軍政下の迫害を体験し、滅多な事では涙なぞ見せないとされた長官も、こぶしを握り締めて、ブラジルと女性への朗報だと喜んだ。刑が重過ぎるとの批判やいや適正だとの議論がある同事件も、長官就任前の審問で、女性への暴行は罰せられるべきで、裁判の迅速化も図らねばならないと発言していた同長官には、朗報に他ならなかったようだ。

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