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日伯友好連帯月間=日伯の打楽器で鎮魂願う=和太鼓「生」、メニーノス・ド・モルンビーが競演

ニッケイ新聞 2012年3月23日付け

 和太鼓とブラジルの打楽器が一つに——プロの和太鼓グループ「生」と打楽器による音楽グループ「メニーノス・ド・モルンビー」(以下、メニーノス)が18日、ガゼッタ劇場で競演、鎮魂の願いを響きに込めた。3日前にはチケットは完売、約700人の観客が会場を埋め尽くした。
 東日本大震災で多額の資金や支援を受けたことへの感謝とし、在聖日本国総領事館と国際交流基金が共催で進めている事業『日伯友好連帯月間』の一環。サンパウロ市と同劇場が後援した。
 メニーノスは、音楽活動を通して麻薬から子供を守り、より良い成長を促すことを目的に1996年に設立。サンパウロ市の貧困地区に居住する4千人以上の子供・青年が参加する。テレビやラジオに出演するほか、国外でショーを行なう。
 木下節生さんを代表に演奏活動を行なう「生」とメンバー同士が友人であることから、合同でショーやDVD収録を行なってきた。今回で4回目の競演。
 開幕時には、大部一秋総領事が「東日本大震災後、ブラジルから沢山の連帯の表明や温かい言葉を頂き、被災者が前進する勇気をもらった」と感謝の意を述べた。
 18歳までの子供・青年ら約60人が次々に登場、ヴォーカルや打楽器がサンバを演奏し、前方では軽い身のこなしで現代風サンバを披露。会場から自然に手拍子が起きるほど、勢いのある舞台を見せ付けた。
 続いて「生」が演奏と共に通路を行進して登場し、「ヤー」という威勢の良い掛け声と共に、力強い和太鼓の演奏を披露。尺八に合わせて津波の衝撃的な映像も流され、この時ばかりは盛り上がっていた会場も静まり返った。
 最後は「オブリガード・ブラジル!」の掛け声でメニーノスの子供たちが再登場、和太鼓も一緒になってサンバを演奏し、観客らは立ち上がって大喝采を送った。
 「生」で太鼓を習って1年になる尾崎・大野エリザベッチさん(53、二世)=サンパウロ市=は「本当に感動的だった」と笑顔を見せ、イベント終了後も会場を見つめていたルイス・エリード君(16)=サンパウロ市=は「最後に2つのグループが一緒に演奏したのがよかった」と感想を語った。