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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年7月24日付け

 ロンドン五輪まであと3日に迫り、世界のスポーツ界は沸きに沸いている。「参加することに意義がある」の金言は子どもたちも知っているが、世慣れした大人ともなれば「金メダル獲得」しかない。体操の華麗な技をテレビで観るだけでも手が汗ばむものだが、あの鉄棒に挑み真夜中になっても練習に励む選手らの苦痛は、とてものほどに見物人にはわからない。これはマラソンもだし柔道もまったく同じである▼ロンドンの主催者らは「北京には及ばないが」としつつも、施設の整備や防犯にも万全を期している。海とテムズ川や空からのテロ攻撃に備え海軍の艦艇を配備し、市民の住宅屋上には地対空ミサイルを設置する物凄さであり、地上の警備は、もっと凄い。それもこれも、あのイスラエル選手11人を殺害したミュンヘン・オリンピック事件の記憶が胸底に息づいているからに違いない。スポーツの祭典は、それほどの危険をも孕んでいるのだ▼先の16日には、リビアの五輪会長が首都トリポリで拉致されたし、アメリカでは選手団のオリンピック制服が中国製だと知り民主党の大幹部が「すべてのユニホームを積み重ねて燃やせ」と激怒する一幕もあったが、このお偉いさんの怒りもごもっともな話ではある▼さて—肝心な日本ながら、金メダルは8個もいけば、五月蝿い批評家も「大満足」であろうが、野田首相は国会重視で開会式出席は見送り。そして石原都知事も「あちこち障害がー」と検診が急務らしく訪英を中止と決定し、森喜朗元首相が代理となったそうだが、東京五輪招致もあるし都知事欠席はやはり残念無念に尽きる。(遯)

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