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大分県人会=副知事ら迎え60周年=「県人会は母県の誇り」=約300人が節目の年祝う

ニッケイ新聞 2012年10月23日付け

 ブラジル大分県人会(矢野敬崇会長)創立60周年記念式典が21日、サンパウロ市の宮城県人会会館で盛大に行われた。母県からは二日市具正副知事、志村学県議会議長など県関係者7人、ブラジルに移住経験のある後藤博子元参議率いる10人の慶祝団が来伯。福蔦教輝在サンパウロ総領事、安部順二下議、羽藤ジョージ州議らも来賓として訪れ、会員ら約300人が集まり60年の節目の年を祝った。

 式典に先立ち午前9時から、県人会顧問の浄念信行さんによる県人先亡者追悼供養が行われた後、福本真澄副会長の開会挨拶で記念式典が始まった。
 日伯両国歌斉唱、先没者に対する黙祷の後、矢野会長は日本からの慶祝団来伯に感謝を表し、「一言で60周年というが、それだけの年月を団体として継続させるのは大変なことで、県人諸先輩の努力で日本との絆が守られてきた成果。その絆をさらに太くしていくのが若い世代の務め」とのべ、次世代の活躍へ期待を込めた。
 「ボンジーア!」と元気に挨拶した二日市副知事は、広瀬勝貞知事の挨拶を代読。100年前の明治45(1912)年に初めて大分県人が移住したことに触れ、「今後とも県との交流を重ねていただき、県を勇気づけてもらいたい」と締めくくった。
 続いて志村議長、福蔦総領事、園田昭憲県連会長、羽藤州議、祖父が戦前に大分から移住したという阿部下議が祝辞をのべ、在京大分県人会の前田晃伸会長からの祝電が読み上げられた。
 その後知事からの県連、文協、援協、日本語センターへ記念奨励金、連邦議会から知事、県議会、県人会へ顕彰が贈られ、知事からの永松通一、柿坂公正両元県人会会長に功労者表彰、10人に感謝状と記念品が贈られた。
 その他、米寿の二宮マキコさん、赤峰保憲さんの二人へ敬老顕彰が行われ、県知事から記念品として大分在住の屋根の木版画家、寺司勝次郎さん(85)の作品、議長からは県産の椎茸が贈られた。
 玉田イウダ同県人会副会長の閉会の辞で終了した後は、二日市副知事による「県政の概要」と題した講演が行われた。三期目の広瀬知事の政策を中心に母県大分の観光、食、水産物、林産物、文化・スポーツなどの話題に触れながら現在の状況が説明された。その後祝賀パーティーへと移り、鏡割り、乾杯を行い和やかに食事が進んだ。
 記念アトラクションとしてサンバショーが行われ、最後は参加者全員が入り乱れて楽しんだ。
 約35年間、理事として県人会運営に関わった岐部悦治さん(国東市出身)は、来賓や出席者に積極的に話しかけ、「賑やかにやってくれたので良かったですよ」と嬉しそうに話していた。
 初来伯した二日市副知事は本紙の取材に対し、「県人会の皆さんは誇り。県は皆さんに支えられている。遠い地で頑張っている姿を目の当たりにすると元気が出ました」と満足げに語った。

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