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援協評議員会=菊地会長が2期目続投へ=単一シャッパですんなり=「次の選挙で世代交代」=来年度予算は2億7千レ

ニッケイ新聞 2012年10月30日付け

 サンパウロ日伯援護協会の第4回評議員会が27日午前9時(第二次召集)から、本部の神内ホールで開かれた。そこで、援協理事会の菊地義治現会長を代表とする単一シャッパ(候補者連記名簿)が提出され、拍手で承認された。来年以降の続投を決めた菊地会長は「常に創立以来の理念を忘れず、日系社会と共にブラジル社会で必要とされる事業を進めたい」と所信表明すると同時に「次の選挙は次世代へのバトンタッチになる」とも明言し、2年後に会長職を退く考えを示した。

 菊地会長は「南銀やコチア産組が破綻した今、日系社会で頼りにされているのは援協」という意気込みで、次の2年間の任期に臨むという。
 「日本からの支援が年々減っている中で、今後ブラジル社会で公益団体としていかに運営していくかが問題」(菊地会長)という状況下で、生き残りの鍵になると考えている事業は、(1)サンミゲル・アルカンジョ市に建設中のSUS病院、(2)グァルーリョスに新設する高齢者介護病院、長期で取り組む事業としての(3)自閉症児療育学級「青空学級」(PIPA)の三つだ。
 特に前者二つの事業については「ブラジル社会との共同事業」とし、任期中に集中して取り組み、次期会長へ託したい考えのようだ。
 サンミゲル・アルカンジョの病院については12月16日に開所式を行う予定で、来年1月から患者を受け付け始める見通し。軌道に乗るまでは当面、日伯友好病院の傘下として運営されることが評議員会に先立ち25日に行われた定例役員会で承認されている。
 グァルーリョスの病院は、やすらぎホームの跡地に建設予定で、将来的には隣接するあけぼのホームと繋ぐという計画がある。ホームでは面倒が見切れなくなった、高齢で寝たきりの重症患者を移すことができるようにすることが目的だ。〃終の棲家〃として機能させるイメージで、院内には公園のような中庭を造る計画もある。
 資金面は、移住者への〃最後の支援〃を申し出ている神内良一・国際協力財団理事長に支援を要請すべく、菊地会長と山下忠男副会長が来月日本に赴き、直接プロジェクトについて説明する予定だという。
 菊地会長によれば、神内氏から承認を得られた場合、来年3〜4月には基礎工事を開始し、第一期には、UTIも含めた37床を設置するという計画だ。
 午前9時の第2次召集時点で29人(委任状4人)が出席し、最初に来年度の事業計画・予算案が発表された。
 事業案としては、サンミゲル・アルカンジョの病院で手術センターと入院病棟の建設、グァルーリョス病院の第一期工事開始のほか、日伯友好病院の工場跡地の購入と改修工事、「PIPA」における指導員の新規雇用などを計画している。いずれも何の質問もなく満場一致で承認された。
 来年度予算案の総収支は2億7681万6036レ。リベルダーデ医療センターなどを含む日伯友好病院のみでは9割以上の2億5068万516レの収支で、こちらも承認された。
 会長以下、この日決定した役員は次の通り(会長、副会長のみ記載、敬称略)。会長=菊地義治、第1副会長=毛利連、第2同=尾西貞夫、第3同=山下忠男、第4同=坂和三郎、第5同=与儀昭雄。
 常任理事、会計などその他の役職は後日理事会内で決定される。

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