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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年12月6日付け

 日本人の職人によるお菓子やケーキの技術レベルの高さは有名で、訪日する欧米人を唸らせている。リベルダーデで人気のケーキ屋の職人も日本で修業したようだ。先月、サンパウロ市であった製菓技術コンクール(25歳未満)で見事、上野実里菜さんが優勝した。味、見た目もさることながら、調理しながらマメに掃除するといった部分も評価されたとか▼世界遺産マチュピチュの玄関口であるクスコで一番との呼び声が高いペルー料理レストラン「プカラ」。オーナーはアンデスの食材の豊かさに惚れ込んだ鈴木健夫さん。ジャガイモや唐辛子の原産地、インカ帝国の首都での評判は同胞として鼻が高くなる▼訪日したおり、愛媛県松山市へ。温泉でも坂の上の雲でもなく目当てはピザ。イタリアで開かれた「ピッツァW杯 2011」で優勝したピザ職人、矢野浩一さんが腕をふるう「ダ・ボッチャーノ」を訪れた。ピザに関しては一家言もないが、少なくともリトル・イタリーから生まれたシカゴの有名なピザは消し飛んだ。「本場よりサンパウロが上」と豪語するパウリスタたちのご意見を聞いてみたいところ▼研究熱心な日本人の飽くなき食への追求ぶりを書き連ねてきたが、足元を見ると、当地の日本人経営のものも含め日本食店に胸倉があれば掴んで「何故だ!」と聞きたい。エスタード紙が主催するコンテストの寿司部門で今年優勝したのがイカの握りと聞いて泣けた。「政治のレベルは国民のそれと同じ」という言葉が浮かんだ。それはそうと、訪日中のコリンチアーノたちが〃ブラジル風〃ヤキソバがないことに腹を立て暴れないかが心配だ。(剛)

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