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愛知県=続々と日系教師誕生へ=教育大に約10人在籍=数年で現場に本格参入か

ニッケイ新聞 2013年1月19日付け

 デカセギ開始から28年目の年始早々、日本最多のブラジル人集住地域の愛知県では、まもなく在日ブラジル人が教師として教える側に本格的に回り始める時代になるという朗報が舞い込んだ。学力不振と不就学、それに伴う非行化と、日本の教育界で〃お荷物〃視されてきた在日ブラジル人子弟が、あと数年で日本人と対等な立場で教壇に立つことになりそうだ。永住希望が増え、社会を担う一員としての自覚を深める在日ブラジル社会を象徴する出来事と言えそうだ。

 在日ブラジル人の教育支援に力を入れている愛知教育大学から松田正久学長、宮川秀俊・国際交流センター長、二井紀美子外国語教育講座教授(ポ語)がサンパウロ総合大学と提携を結ぶため来伯し、「現在10人ほどブラジル国籍の学生が在籍していて、これから徐々に教員として現場に出始める」と12日に来社し、意気揚々と報告した。
 すでに愛知県立大学の卒業生で教師になって活躍しているブラジル人が一人いるが、今後は同校からまとまった人数が続々と教育界に入っていく見込みだという。
 85年に開始したといわれるデカセギブームが本格化したのは、日本の出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)改正のあった1990年。90年代末から永住権取得者が増え始め、この頃に定住志向の高い親から生まれた子どもが、今大学生、成人になりつつある時代のようだ。
 松田学長は「県内の小学校にも、クラスの半分がブラジル人という学校も出てきた」と近年の傾向を指摘し、人格形成期として重要な十代に日本語などの問題で、学習面で躓く生徒が多いことを危惧しているという。
 「どっちの言語でも中途半端になってしまうパターンが一番心配される。言語面をカバーする取り組みをしていかないと」と話す。3年前に第2外国語として新しくポ語を取り入れたことにより、この問題に高い意識を持つ教師を育てたい考えだ。
 同大では文科省予算を利用し、小学校用のポ語教科書を制作するほか、学生によるブラジル人生徒の放課後学習支援(日本語、算数)、親子を対象にした土日の日本語学習支援も行っている。
 県や市、企業やボランティア団体など、多くの団体も同様に教育支援に取り組んでいるが、「愛知教育大はオリジナル教材を使い、生徒自らが地域の人と一緒に活動するのが特徴」と二井教授。教師育成以外に、こうした地域密着型支援を通してブラジル人子弟の教育を支えている。
 今回USPと協定を結んだのも、「日伯間の交流を更に深めたい」との想いから。昨年3月に仁井教授が来伯した際、平野セイジUSP教授の仲立ちで協定締結が決まり、今月14日に調印式が行われた。今後は学生交換など国際交流も進めていくという。

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