ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年3月15日

 イエズス会士から初めて法王が出た意味は深い。同会は1538年に設立され、新しい信者の獲得、勢いある新教拡大に対するカトリックの「防波堤」を目指した。同会士は大航海時代のポルトガル船等に乗って南米、アジアなどの遠隔地に赴き、教団復興の立役者となり、「法王の精鋭部隊」とすら言われた▼設立の11年後、1549年に創立者の一人フランシスコ・ザビエルは日本へ到着した。興味深いことに、同会は同じ年に当地サルバドールに上陸を果たし、さらに南下して1554年にサンパウロ市セントロのパチオ・ド・コレジオで最初のミサを行い、サンパウロ市創立の発端を開いた▼同会から法王が生まれたことは、16世紀同様に現代は新教が勢力を強め、バチカンは多くの問題を抱えているとの認識から、奥の手を出してきたのかもしれない。「彼は法王にならないよう懸命に祈っていた」との姉妹の証言も新聞に出たが、数百年来の困難な時期だからこそ同会士が選ばれたのだろう▼1200年以上も欧州勢で占められた法王の座を新大陸に預けるに当たり、イタリア的価値観が当てはめられた気がする。世界で最もイタリア移民を受け入れた新大陸の国は米国、2位が亜国、3位がブラジルだ▼米国は新教国であり、その出身者に法王を任せるには抵抗があり、次に多いのが亜国だった。伝統的イタリア人の目から見ると、「信徒数では世界一」といっても、ブラジルは余りに非欧州的文化が強く、亜国の方が近い存在なのかも。悔しがるブラジル人からは「新法王の次の仕事はマラドーナの〃神の手〃(86年墨W杯のハンドによるゴール)を許すこと」とのピアーダが聞こえてきた。(深)

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • ブラジリア=W杯スタジアム改修で汚職疑惑=水増し請求で工費が倍以上に2017年5月24日 ブラジリア=W杯スタジアム改修で汚職疑惑=水増し請求で工費が倍以上に  連邦警察は23日、ブラジリアのW杯スタジアム改修における経費水増し請求疑惑で、連邦直轄区元知事らを対象とするパナテナイコ作戦を決行したと同日付現地紙・サイトが報じた。  同作戦では逮捕令状10件、家宅捜索・押収令状15件、強制出頭令状3件が出され、ジョゼ・アルーダ元 […]
  • 間違いだらけの地下鉄マップ=サンパウロで開催2週前に2014年5月30日 間違いだらけの地下鉄マップ=サンパウロで開催2週前に  ワールドカップ開催まであと2週間を切り、開催都市では本格的な観光客対策が迫られている。そんな矢先の28日、サンパウロ州の軍警が公表した、観光客に配る安全情報告知のためのパンフレットに記載された鉄道マップが間違いだらけであることが判明した。 しかも、間違いの数は少なくとも1 […]
  • ブラジル独立200年までに国歌を練習しよう!2020年1月21日 ブラジル独立200年までに国歌を練習しよう! […]
  • 日本政府はもっと日本祭りに支援すべきでは2019年7月9日 日本政府はもっと日本祭りに支援すべきでは  県連日本祭りの裏方である県連執行部はもちろん、ボランティアとして働いた各県人会の役員や婦人部、青年部、それぞれのブースで働いた皆さんに、今年も心から「お疲れさま!」と言いたい。  本国以外では世界最大規模の日本祭りにして、昨年は眞子内親王殿下をお迎えして移民110周 […]
  • いずれにせよ、出るべきではなかったネイマール2019年6月7日 いずれにせよ、出るべきではなかったネイマール  5月末から勃発した「強姦疑惑騒動」から5日までドタバタした結果、ネイマールは「故障」という形でコパ・アメリカの出場を断念することになった▼5日夜にはネイマールを訴えた女性、ナジーラさんが実名と顔を公表してSTB局のニュースにも生出演し、彼女の信憑性を巡って世の評価は二 […]